パソコンその後 『マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲』
パソコンが9日ぶりに帰ってきました。
ひとつの問題点は携帯電話のマイクロSDをパソコンに挿入するさいにケースにいれるのですが、それが小さすぎてパソコンの奥のほうに入ってしまったこと。このことは当面パソコンに悪さをしていなかったようです。
ところが、一か月ほど前から、ワードで打った文書が保存できなくなり、その後メールが読めなくなってしまう、という状態が出てきました。
それで 電気屋にもちこんだのです。5日目くらいに「パソコンをあけてSDカードは取り出せたけれど、状態はよくなっていないようです。 ここまでは無料ですが、これから先の処置には 少なくとも四万数千円、場合によってはそれ以上かかります」との知らせ。
これは、三年使用のこのパソコンをこのまま修理して使い続けるかどうか思案すべき金額です。 「とりあえず返してもらってシステムリカバリを家でやってみよう」、と主人がいいました。 その4,5日後 パソコンがもどってきたわけです。
もう一度、メールとワードの不具合が直っていないことを確認したうえで、指示に従ってシステムリカバリをやりました。かなり時間は かかりました。
リカバリーでは もとから入っていたものはそのままですが、オフィスなどはデイスクをいれなければいけません。
まずオフィスをいれてワードで文書の保存ができるかどうか確認。 出来ました! このパソコンはまだ大丈夫そうですので、続けてwindws mailの設定です。
これが 厄介でした。主人のパソコンを使わせてもらうにあたっても苦労したのですが(こんなところにパスワードがいるなんて知らなかったのです。娘に電話して聞きました)
教訓 パスワードの管理
新パソコンとこのパソコンでは入れる数字なども違っていて あれこれ、苦労。 受信ができても送信ができない、など もう うんざりでしたが、やっと解決(主人が、ですけれど)
娘はパソコンをいじるのが大好き、新しいパソコンを買うとすぐさわりたくて、セットアップも喜んでやってくれるのでおまかせだったのです。
今回はこのさい無線ランのルーターも 安全性の高いものに交換することにしたため、その設定も主人は 苦労しているみたいです。分かってみれば何でもないことでも、その入力の番号がどこにあるか、とか、あれこれやっているうちに、気がつかないうちに、どこか触ってしまったためにスイッチが オフになっていたり、 入力ミスのような初歩的ミスに気づかなかったり、素人は 大変でした。セキュリティソフトはノートンを使っているのですが、再設定をお客様センターに問い合わせて(土日は お休み) の電話をしました。やり方がメールでおくられてきて、その指示に従ってクリックしていく、という方法で セキュリティも心配がなくなりました(この間リカバリする 自動的に ウイルスバスターが 効くようになっていました。このアンインストールなども必要はありません。自動で ノートンと変わるようになっていました)
大きな被害はメール本文が失われてしまったことだけです。それと、アドレス帳のバクアップはとっていたつもりだったのですが、最近のはとっていなくて少し困りましたが、別の手立てで 連絡はとれる方でした。
写真その他大事なものはいつも 外付けハードディスクにバックアップをとってあります。メール本文ののバックアップをとらなかったことだけが残念なことだったのですが、 ともかく 正常に使えるようになって、やっと一段落。 ホームページの作成に入ることができるようになりました。
ここ数日の間に読んだのは
『マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲』 アマーラ・ラクース著 栗原俊秀訳
マルコーニ大通りはローマにある通りで ここにはムスリムたちが多く住んでいるようです。 ここを舞台に、ストーリーは展開します。
主人公の一人はイーサー、本名はクリスティアン というシチリア出身のイタリア人。祖父の生まれたチュニジアに憧れ、大学ではアラビア語を学び、裁判所の通訳が仕事。アラビア語に堪能であるのは もちろん、見かけも地中海風でチュニジア人としても通用することから、ローマでスパイの仕事をするよう頼まれる。それでローマにやってきて、ムスリムたちの生活にとけこむ努力をしている。
もう一人の主人公は ソフィア(本名はサフィーア) サフィーアをイタリア語でいえば ソフィア・ローレンのソフィアになる。(夢を追いかける女優を知ることによって、彼女もまた夢を追いかけ自分流に行きたいと願うようになるので、この名前はとても意味がある)
ソフィアはエジプト人、カイロに住んでいたが海外に住みたいという願いをもっていたため、ローマに住む現在の夫と結婚。婚約中から夫の ヴェールを被れ、という要求に代表されるイスラムの窮屈な生活に対する不満はかかえていたが、ローマに住んでいる現在ムスリム流生活にはうんざりしていますが、エジプトの家族への思いも強い。
この二人の交互の独白により話が展開します。語られるのはイスラム流生活に対する驚きや不満。異国に暮らすムスリムとして イタリア人の一部から受ける侮蔑のまなざし。仕打ちなどにも触れられています。
一番面白いと思った習慣は 「離婚だ」 と三回口にすれば離婚が成立するということ。たとえ かっとなって口走っても しっかりカウントされ、本心ではなかったとは言えない。元通りの夫婦になるためには、妻は一度誰かと結婚し その後離婚しなければいけない。 そうして初めて元の夫婦が復活する、のだそうです。
イーサーは スパイですから、イタリア人キリスト教徒がチュニジア人ムスリムという偽りの人格のもとに生活するはめになるし、ソフィアは内緒で床屋(わざとこの訳語を用いたのだと思う)の仕事をしています。
ソフィアの語ることから、いかにイスラム世界は男性優位社会であるかということが伝わってきます。以前 トルコに旅行した時、現地ガイドはイスラム教は良い宗教だけれど、女性に優しくない、と言っていたことの意味、実態がよくわかった気がしました。
この本の作者 アマーラ・ラクースは アルジェリア人。アルジェリアはもとフランスの植民地。アラビア語とともにフランス語がはなされる国です。 アルジェ大学卒業後ローマに留学。
この本はアラビア語版とイタリア語版を同時に書きすすめたそうです。
訳者のあとがきによると
複数の自己を両立させること。あるいは、自己であると同時に他者であること。作家アマーラ・クースの文学的野心はまさにこの点に向けられているように思われる。ラクースは 自らの創作活動について語る際、「イタリア語をアラビア語化し、アラビア語をイタリア語化する」という表現を よく用いる。一つの作品をアラビア語とイタリア語の両方で執筆すつろいう行為を 著者が継続しているのは、二つの言語が たがいに 影響しあう場を、 作家自身の手によって創造するためであろう。
自分の異国人、異国語を話すという立場を逆手にとって 自分の文学世界を築こうとしているように思われます。
私はこ本を朝日新聞の書評欄で知ったのですが、評者は 楊 逸 氏。中国人で日本に留学、日本語を母語としない人による 初の芥川賞受賞で 話題になった方です。
日本の文化のルーツは 中国にあるものが多いとはいえ、 彼女にとって日本は、やはり 異文化の異国であることにかわりはありません。共感を覚えるところも多かったのではないか、と思いました。
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