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2013年2月 8日 (金)

日比谷へ 映画『アルバート氏の人生』、出光美術館「オリエントの美術」

見ようと思っていた映画がそろそろ上映期間が終わるので寒いけれど日比谷まで出かけました。映画を見るだけでつまらないな、と思っていると、出光で オリエント美術展をやっていることに気付き、それとあわせてみてきました。

結果から言いますと、オリエント美術展のほうが私の満足度は高かったです。もちろん映画も良かったのですけれど。

出光は東洋美術が多いのであまり好みでなく、行く機会は殆どないのですが、ゆったり落ち着いた感じがとてもいいです。 案内の人がどちらかというと年配の男性というのも他の美術館とは一線を画している感じです。

オリエント美術は イラン、トルコ、エジプトに行った時に現地の博物館の素晴らしいコレクションを目にしていて
http://ykharuka.s113.xrea.com/iran/iranmain.html (この、7,8日目にイラン国立博物館の 展示品の写真があります。ここは 撮影可でした) それが 忘れがたかったということもありますが、 読みあげたばかりの小説『バビロンの魔女』 D.J.マッキントッシュ 河出書房新社 の影響もあるといえます。

この小説は
2003年 4月アメリカ軍がイラクに侵攻、そのときイラク国立博物館の収蔵品は一部は館員によって運び出されたが、盗まれたものも多く、その中であまり知られてはいない、ある石板にまつわる物語です。この石板は旧約の ナホム書 を彫ったものですが、それにアッシリア帝国の財宝のありかが示されている、というのです。それをめぐっての争奪戦が イラク、ニューヨークなどを舞台に繰り広げられ、仲間と思っていた人物が敵だったり、パズルに頭を悩ませたり。 小説としてはまずまずの面白さでした。トルコの ヤズルカヤやゴルディオン近くのマイダス王の墓(実は違うらしい)が出てきたりするので、現地に行ったことを思い出して その点も楽しめました。

20130207
まず、 出光美術館  オリエントの美術
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

展覧会の見どころ というところで少し作品が見られます。

図録表紙

201302083_2
年代順に 紀元前5千年紀、 4千年紀、3千年紀 の イラン出土の鉢にはじまって エジプトのミイラをいれていた赤、緑の彩色も鮮やかな木棺蓋、、、 イランのイスラーム時代の絵皿、 など 本当に一つ持って帰りたいような素晴らしいものがいっぱい。 お隣の二人組もも「ああ、これほしい」 と小さなオシリス神像を指さしていらっしゃいましたっけ。

チラシ表

 201302081_2チラシ裏
201302082
ともかくどれも素晴らしい、 図録まるごと載せたくなりますがひとつだけ。
金製高杯 イラン 紀元前10〰6世紀 組み紐文がついている、 こういう昔から組み紐文があったのですね。感動!!
201302085
ゆっくりしたいけれど、映画の時間がせまっているので、 後ろ髪をひかれる思いで、映画館へ。

アルバート氏の人生

201302086
19世紀のアイルランド、ダブリン。 モリソンズホテルのウエイターであるミスター・ノッブズ(アルバート)は実は女。私生児として生まれ、貧しい生活の中で暴行をうけ、男として生きてきた人物。感情をおし隠して働き、夜 部屋にもどっては貰ったチップを計算し 床下に隠す。独立して店を持つことが 夢なのです。 同室せざるを得なくなったペンキ職人に女であることを知られてしまいますが、このペンキ職人の生き方がお手本にもなります。 お店には綺麗な女性がいてほしいと、仲間の女中に交際を申し込むが(もしかしたら 恋心をいだいていたのかもしれない)、、。

男から身を守るには男装したほうがいい、どうやら仕事もみつけやすいらしい。 この時代男装して働くことは稀というわけではないのかもしれません。

頼るもののいない人生で やっと心を許せる人となったペンキ職人によせるおずおずとした信頼の寄せ方、自分の素性を知られるのではないかとおびえる様子、お金を数える姿のいじましさ。やはりアルバート役のグレン・クローズはうまい。孤独に人生を生きてきた人間の哀しさをよく表していました。

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