映画 「シャドーダンサー」
カルチャーセンターの帰りに銀座に寄り道、映画をみてきました。
アイルランド映画の「シャドー・ダンサー」です。アイルランドの景色が好きなので、アイルランド映画となると見たくなるのです。アイルランド映画といえば多いのがIRAもの。「マイケル・コリンズ」「麦の穂をゆらす風」「父に祈りを」「クライイングゲーム」などこれまでかなり衝撃的というか、痛哭の極みともいえるほど厳しい状況を描いたものを見てきました。それらに比べると、今日のは少しあまいかな、という感じはありましたが、良かったです。
映画は 1993年、ロンドンで地下鉄テロ未遂事件の犯人として、M15に逮捕されたシングルマザー、コレットの話です。
係官は 25年の刑務所暮らし と引き換えに スパイ となることを強要してきます。幼い子供のことを思い密告者となることを受け入れたコレットには、自分の身代わりに弟を銃弾によって死なせてしまったという過去をもっています。
コレットの兄弟二人もIRAのメンバーです。 IRAでは テロの失敗は 内部に密告者がいるからかもしれない、と疑い厳しい捜査や尋問が行われます。 一方 M15内部ではコレット担当の係官が 他にも密告者がいて、コレットが危ないのではないか、と 調査を始めます。これ以上書くとネタバレになりそうなので、この辺にしておきますが、下記公式ホームページで もう少し詳しい情報が 得られます。
http://shadow-dancer.com/
犠牲になるテロリスト、苦しい立場の密告者、家族ぐるみがんじがらめになってしまう一家の痛ましさを映画は描いていきます。コレット役の女優の清楚な美しさが悲しみをきわだたせていました。
97年に合意がなりたって、暫定派は武装解除、たもとを分かったレアルIRAも現在は武力闘争はしていないようです。それでもなお、このような映画が作られるのは、イギリスのよる抑圧の歴史の怨みがなかなか消えないということなのでしょうか。
闘争によるこういう悲しみは もうおしまいにしたいという願いでつくられたように思いました。
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