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2014年9月16日 (火)

「ペテロの葬列」 クオ・ヴァディスなど

九月も半ば、テレビの連続ドラマは どうも三ヶ月単位のものが多いようで、次々に終わっていきます。

早々と終わったのが「匿名探偵」
警察ドラマも何本かみていましたが、そういう中でこれ、結構気にいっていたのに、終わって残念。 探偵を演じる俳優がぴったりで楽しめたのに。

昨日終わったのが 「ペテロの葬列」

ペテロって、あのイエスの一番弟子のペテロのようです。教会の入口で 老人が二人いれば片方は 必ずといっていいほどペテロです。

イタリア ローマから北上するとスポレートという町があるのですが、そこから車で 1時間くらい行ったところの、フェレンティルロのサン・ピエトロ・イン・ヴァㇽレ修道院に2001年に行きました。そこの教会の回廊に面した入口でであったひなびた感じで可愛いペテロさん。鍵(下記)をしっかり握っています。

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葬列とは?TBSの紹介では 

ペテロは、イエスを裏切った自らを恥じて、残された“悪”を刈り取るために自らの命を捧げた聖人です。しかし、自らを恥じ悔い改めても、また別の形で“悪”が連鎖してしまうことがある。人はどれだけ自らの悪や罪を贖おうとも、結局はペテロに続く葬列として、歩き続けていくしかないのか

とあります。なんだか宿命論的で大げさなタイトルだなと思いながら みていました。

ペテロは、もともと シモンという名前でしたが、イエスに 
あなたペトロ。 わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。、、、とペテロと名づけられ、 さらには天の国の鍵を授けられた使徒です。

聖書(ここでは マタイ伝から引きました)には
イエスは 捕縛の前の夜、オリーヴ山に行ったときに ペテロに「あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度私を 知らない、と言うだろう」 と 言うとペテロは『あなたのことを 知らないとは、 けっして 申しません」 というのですが 三度「知らない」といってしまい、 その三度目の時に鶏が鳴いたのでイエスの言葉をおもいだして 激しく泣いた

とあります。

私は以前 このペテロの否認のところを読んだとき、激しく泣いた、というペテロの後悔には気をとめず、磔刑像をみると、 一番弟子による否認を思い出してはイエス様って何てかわいそうなのだろう、と 思ったものでした。

でも ペテロも可愛そうな人なのです。心から慕っていたはずのイエスを 己の弱さのために否認してしまったのですから。

その後 ペテロは 熱心に布教活動をすることになるわけです。

先日 歌会誌を読んでいたら、 何処へ とうタイトルの歌の中に クオヴァデス の言葉をみつけました。ペテロです!!

下は 南仏エルヌ大聖堂の回廊にある柱頭彫刻 ドミネ クオ・ヴァディス(主よ何処へ)

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昔 「クオヴァデス」という映画があったそうですが、 残念ながら私は見ていません。

クオヴァディスという言葉は 聖書にはでてきません。『ペテロ外伝』 というのにでてくるそうですが、 これも持っていません。 でも 黄金伝説にはでていました。 ヤコブス・デ・ウェラギネ 『黄金伝説』2 平凡社ライブラリー

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(これは聖人伝説を集めたもので 聖人について知りたいとき、特に宗教画の意味等知るには便利なのです。 使徒聖ペテロは 84に出ています」 )

 そこでは 
ペテロがローマで説教をしていたとき、捕まるおそれがあったので 弟子たちのすすめにしたがってローマの市外に出たて キリストが歩んでこられるのを見たときに発する言葉が 「主よいずこへ」 ドミネ・クオ ヴァディス なのです。

ペテロはキリストが もう一度十字架にかかりに行くためにローマにむかっていることをきき、 ローマに戻り、十字架にかかるのです。それも キリストと同じではなく 頭を下にした形で。

この黄金伝説には 天使たちが 薔薇と百合の花束をもってペテロの十字架のそばに立っているのが見えた、

 とあります。 ドラマで最初の場面、小泉孝太郎扮する杉村がユリの花束をもっているところは、もしかしたら、 これにインスパイアーされたのでしょうか。

ところでこのドラマで何回か出てくる言葉に「人間って改心するものなのですよ」があります。

登場人物は 事件に翻弄されたけれどそれぞれ自分の道を歩み始める、という終わり方をしているように思えました。子供もいるのに離婚という終わり方は どうかな、とは思いましたが。

小泉孝太郎君、ぎこちないところが、入り婿にぴったり、なんていうと失礼ですよね。 好感の持てる役者。

 

 

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コメント

tina様 
宮部みゆき は読んだことがありません。 新聞小説も 時たま読むだけ、 きちっと通しては読んでいません。それっきり。 
ドラマは 小泉孝太郎君をみてみよう、 というミーハー的関心から見たのです。 テレビドラマと 小説は ちがっているらしいです。 一応図書館で検索してみましたら、横浜市には 65冊あるのですが、 待ち人数1127人。 きっと テレビの影響でしょうね。 でも 冊数が多いのでわれば20人以下の待ちになりますから、 半年以上はかかるでしょうが、 もっと待ったこともあるので、 一応 予約かごにいれました。 私自身も他の本で 予約冊数をこえているのです。
ボルトンの『緋の収穫祭』 は 5冊あって3人目、 もうすぐなので楽しみにしています。


「ペテロの葬列」はドラマは見ていないのですがだいぶ前に原作を読みました。宮部みゆきの作品は好きで時代物以外はほとんど読んでいます。最近は時代物のほうが多くてちょっと残念。現代物は小説を上回るあまりに残酷な事件が現実に起こるので書くのが嫌になったのだとか。初期の作品の「火車」や「理由」等のほうがよかったような気がしますが。
「ペテロの葬列」は文庫本になる前に売った方がいいという娘のアドヴァイスに従って、売ってしまいましたが。おそらく図書館では何人も待っているだろうとのことでした。
最近読んだミステリーの中ではスティーブン・キングのケネディ暗殺を扱ったSF(タイトルが暗殺の日付けなのでちょっと思い出せませんが)に次ぐ面白さでした。

kikuko様 
「ペテロの葬列」 ドラマとしては途中、何だか展開がモタモタしているようで、ちょっと? でした。
社長の側近、橋本や 杉村夫人のエステシシャンだった 間野京子 等の存在が気になるところがあって、最後まで 見てしまいました。 この二人、 何となく あっけない終わり、 というか 綺麗にまとめてしまったような物足りなさがありました。 兎も角 ドラマは 三ヶ月で終了らしいですから)。
『クオアヴァディス』 有名な小説だったようですね。 よくキリスト教とは関係のない母も口にしていました。そういうわけで、エルヌにこの彫刻があると知って、行くのが楽しみで、行くとまずこの彫刻探しをしました。(現地ガイドは 知らなかったのですよ!!)
ご好評? にお答えして パウロさんも 載せますね。

『ペテロの葬列』は、ちらちらと見ただけなので、ストーリーがのみこめない部分があります。豊富な話題を展開してくださって、家事がはかどらなくなりました、なんて、なんという責任転嫁でしょう!
 サン・ピエトロ・イン・ヴァㇽレ修道院は、とうとう行けなかった残念な場所です。こんな可愛いペテロさまがいらっしゃったのですね。そこからお話を展開されるなんて、さすがです。
 『クオヴァディス』は、生家の本棚にあって、中学生のころかじりついて読んでいました。戦前は非常に人気があった小説だそうですね。映画も見ましたよ。
 『黄金伝説』は、そろそろ処分しようかと思っていましたが、思いとどまりました。

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