ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
昨日(17日)は歌会の日でした。せっかく近くまで行くのだからと、帰りに三菱一号館美術館によりました。 http://mimt.jp/
実を言うと開館して何年かたつのに(2010年正式開館)、この美術館にはこれまで行ったことがありません。あの中庭に面したレストランには行ったことがあるのですが。
東京駅丸の内南口を出て kitte ビルに沿って進み 横断歩道を渡って左に進むと
この道を入っていくと小さな緑の広場
薔薇が満開です。
この階段を上がると美術館入口
入館は16時40分でした。今やっているのは
ワシントン・ナショナル・ギャラリー展~アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから
印象派というのは、これまで あまり関心がなかったのですが、最近、風景画がいいな、と思うようになって見ておこうと決めたのです。
この建物は旧三菱一号館の レプリカ再建だそうです。暖炉が各部屋にあるのですが、新しくて 逆にそれがガラスの自動ドアにはマッチしているのかな、 という感じがしなくはなかったです。(美術館という温度、湿度の調整が大事な建物は古いものそのままよりいいのでしょうね)。
まず 風景画。 矢張り 印象派の風景画はいいです。気持ちがやすらぎます。 風景画に限らず、サイズの小さい作品が殆どで、それもあってか親しみやすい、抵抗なく入ってくる絵でした。
モネの《アルジャントゥイユ》 、シスレー の《牧草地》 どれも白にちかいような水色の空に柔らかな白い雲が浮かんで川沿いの道や緑の草原、とtも気持ちのいい風景です。
カミーユ・ピサロ 《ルーヴシェンヌの花咲く果樹園》 Camille Pissarro [ Orchard in Bloom Louveciennes ] (webのアートギャラリーから)
空の色はもうすこし薄い水色でした。
スーラの点描もきれい。
ウジェーヌ・ブーダンの《ブルターニュの海岸》も気に入りました。
オンフルールにブーダンの美術館がありますが、私は丘の上の教会を見に行ったので入りませんでした。オンフルールに行ったのは15年も前のことで どういう絵を描く人か知らなかったのです。
ブルターニュの風景としては 、
ルドンの《ブルターニュの村》 Odilon Redon [Breton Village] に心ひかれました。(図録から)
今日見た中で 一番、といっていいほど好き。 影になった家の壁はもうすこし暗かったように思います。ま昼の静かな寂しさがただよっていて、ずっと眺めていたくなる絵でした。Redonはもう一枚ブルターニュの海沿いの村 もありました。これは少し暗い海辺です。
私は Bretagneというと 以前 埼玉県立美術館で観た 相原求一朗 という画家の作品を思い出します。(壁画修復師 高橋久雄氏とのに二人展。 高橋久雄の絵を観たくてはるばる出かけたのですが、相原求一朗のほうに夢中になりました)
ブルターニュにいらしたとき丁度お天気が悪かったとかで 真っ暗といっていいような絵でしたが、とても惹かれたことを覚えています。それに比べると、この明るさには驚かされます。
私はブルターニュにはまだ行ったことがないのです。 是非とも行きたい、いよいよいきたくなりますが、一体いつのなるのでしょうか。
途中で中庭沿いの廊下を行きます。
右上に見えるのが多分 グリルうかい。このレストランには、先日の旅ともさんたちと一緒に行ったことがあります。誰かと一緒ならあそこでお食事したいなあ、なんて思いながら(ともかくお昼抜きなのです。おなかがすいてきました) さらに進みます。途中、館蔵の 古伊万里や鍋島の展示がありました。
絵を全て載せるわけにはいかないですからもう載せませんがゴッホもゴーギャンもセザンヌもロートレックもありました。
これまで知らなかったけれどちょっと気になった画家の作品を一枚だけ
エドゥアール・ヴュイヤール Eouard Vuillard という画家で Bonnardと仲が良かったそうで 二人の作品を集めた部屋にありました。
《会話》 Conversation
Bonnardはお花の絵もきれいでしたが、私は《画家のアトリエ》という窓のある絵が気に入りました。
二階の通路から見下ろした中庭
開館時間は18時まで。ショップに寄って図録を買うだけの時間はありました。
おなかをすかせて家路をいそぎました。
上の展覧会の公式ホームページから 出展リストをみることができます。
http://www.nga.gov/content/ngaweb/Collection.html
このナショナルギャラリーのコレクションリストのページからアーティスト名をいれることによって作品をみることができます。
でも今回の作品数はそう多くないので、東京駅まで出られ、少し時間があれば実物をご覧になられるといいと思いますよ。 会期は24日までです。
ワシントン・ナショナル・ギャラリーは アンドリュー・W・メロンが創設したそうです。メロン銀行というのをきいたことがありますが、その銀行家です。ロックフェラー、モルガン・スタンレーに次ぐ大富豪だそうです。
今回の展覧会はその娘のエイルサ・メロンによるコレクションが中心だということで、自宅に飾ることを目的に集めたものも多く、そのせいか親しみやすい小品が多いのです。
アメリカにはとてつもない大金持ちがいるのですね。 エイルサの父親は絵について、公的な絵と私的な絵を区別をする、鑑賞の楽しみを独占してはいけない絵画もある、とういう考え方をもっていました。これが持てるものの義務、責任なのでしょう。
私的なものも没後は美術館に託されて我々は観ることができるわけです。大金持ちがいてくれるのも有難いことだと思いました。
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