サントリー美術館へ
昨日(17日) 旅で知り合った友人たちと サントリー美術館にいってきました。
新聞の広告で青く輝くお茶椀の写真を見て、是非実物を観たいとおもったからです。
台風の余波か大雨のところがあったらしく電車が徐行運転、おまけにミッドタウン内で迷ってしまって 10時待ち合わせに数分遅刻してしまいましたが、幸い混んではいませんでした。
藤田美術館の至宝 「国宝 曜変天目茶碗と日本の美』 展覧会
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_4/
http://www.fujita-museum.or.jp/ 藤田美術館のサイト。ここでも所蔵作品が一部見られます。
展覧会チラシ
この素晴らしい青の色をみて 観にいくことをきめたのです。
チラシ裏
私は 陶器、磁器は好きですが、日本美術は大体において苦手です。この下の細長い書と絵にしても、どうしてこれが国宝なのかさっぱりわからないのです。
せっかく行っても猫に小判状態になるだろうとは思いましたが、仏像など高さ50センチにも満たないものが五体(興福寺千体仏)、それにこの右上の地蔵菩薩立像(快慶作)も58・2㎝、 大きな仏像から受けるような圧迫感がなく、素直に鑑賞することができました。
ところで 藤田美術館の藤田傳三郎氏とは、
1841年、長州、萩の造り酒屋に生まれる。
明治二年に長州の陸運局が廃止され、不要となった武器の払下げが行われた折り、一手にひきうけて大阪に運び売却、これによって資金を得て事業をはじめました。
藤田組、という名前をきいたことがありますが、建設業だけでなく 鉱山(小坂鉱山)や鉄道、汽船会社、岡山県の児島湾干拓など、色々な事業して、近代国家の礎を築くのに貢献したそうです。
明治ってこういう人物を出しうる時代だったのかもしれませんが、それにしても 一人の人間がよくぞ、と言う感じがします。まあそういうわけで大金持ちでいらしたのでしょう。
図録の解説から
価値観が大きく変動し、社会の仕組みも変わった明治維新後は、美術品を含む伝統文化が危機を迎えた時代でした。仏教寺院が打撃を受けた廃仏毀釈運動や、大名や公家の庇護を失った茶道や華道、能楽などいずれもが苦しい状況を乗り切らなければなりませんでした。そういう状況をみてもともと好きだった美術品収集にのりだした、というわけです。
仏像の次には 書がありました。 こういうことを言うのはぼけているみたいですが、昔の人って 字が上手!!
大般若経 朝野魚養書写(伝承)のものや同じく 奈良時代の紫紙金字華厳教 など、書も素晴らしいのですが、奈良時代の紙が傷んだりしないで 残っているということも驚異に思えました。紫紙など、分厚くて見かけは なめし皮みたいでした。
そのほかの絵や書には あまり関心をもちえなかったのですが、寒山拾得図は 昔教科書に出ていたもので、少しなつかしかったです。
お友達二人は熱心に書や絵をごらんになっていましたが、私はしばらくベンチで足を休めて待ちました。
三階には 茶道具があります。 ここでいよいよ曜変天目茶碗にお目にかかれます。
これは買ってきた クリアファイル
お茶椀としては小ぶりです。 暗い中に弱い照明を受けて浮かび上がり、瑠璃の色がきれいでした。お茶のお茶椀です。 両手に受けて回したりしながら とっくり眺めたかったです。
中国、南宋時代(12,3世紀のもの)口径12.3センチ
曜変というのは 窯変と混同されやすいが、窯変の方が大きな概念、窯変は焼成中に様々な諸条件が絡み合って釉色の変化が現れたものをさしている。中国では 曜変という言葉は見られず、日本で星のような光彩がある窯変に対して、光輝くという意味のある「曜」をあてて、曜変という言葉に変化していったものと思われる。 (図録解説から)
図録の表紙
よく見えませんが 表紙の黒地は表面が平でなく丸い粒々が浅くういています。陶器の表面をイメージしているのでしょうか。
そのほかのお茶椀、花入れなどすてきなものがいくつもありました。こういうものは手元に欲しいです!!
図録から少しだけ (本当は のせてはいけないのでしょうけれど)
左、絵高麗徳利形花入れ(16から7世紀) 右 雲鶴青磁下蕪花生(17~18世紀)
面影 と名づけられています。金継もいい。
そのほか能面、能衣装もありました。 能衣装は 絽に縫い取りしたものが二枚、
また 段熨斗目松桜蔦(下写真)これも豪華 この地模様は卍継というそうです。
二時間半ほどゆっくりみて、ショップへ、 図録やクリヤファイルを買って、 さてランチ。
このお友達とのランチはいつもおしゃれなお店にいくのですが、ミッドタウンにはお店がたくさんあるので、適当なところを行きあたりばったりで、ということで予約はしてありません。
カジュアルなイタリアンのお店に入りました。
KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA
まあ店員さんが大声で 注文を通す声がうるさくて おしゃべりするのも大変。 それでも負けじと大声で おしゃべりしながらお食事。
本日のおすすめの 鱈のニョッキ、ローズマリー風味にしました。 パン、サラダ、コーヒーがセット。ワインは 二人で カラフでたのみました。(一人の方はお飲みにならない)
サラダ、 なんだか豪快です。 パン、ちゃんと温めてあって美味しい。
珈琲はおかわりもできました。お勘定の段になってビックリ、ランチセット1000円だったのです。(ワインは 1400円なので一人700円) 横浜でも最近はお昼1500円はしますから、感動、おいしかったのですよ。
時折外では 雨が激しく降っています。 ブランドショップひやかしたり、小物のお店でちょっとした買い物をしたり、そうして疲れたので座ってアイス、ところがこのアイスがなんと130円、こんな近代的なおしゃれなビルの中なのに、意外に庶民的なお値段設定に嬉しくなりました。
5時すぎまで しっかりおしゃべりをしてまたの日を約束して家路をいそぎました。
« 『イザベルに ある曼荼羅』 アントニオ・タブッキ 著 | トップページ | 『ありふれた祈り』 ウイリアム・K・クルーガー 著 »
「美術、映画」カテゴリの記事
- 「帰れない山」(2025.06.23)
- ロンドン・ナショナル・ギャラリー展(2020.07.10)
- コートールド美術館展へ(2019.12.05)
- イサム・ノグチ 長谷川三郎展 横浜美術館(2019.03.22)
- 山種美術館と 縄文展(2018.08.16)
« 『イザベルに ある曼荼羅』 アントニオ・タブッキ 著 | トップページ | 『ありふれた祈り』 ウイリアム・K・クルーガー 著 »
コメント