メアリー・カサット展 ランチはキハチで
26日は 横浜美術館へ 「メアリー・カサット展」を観に行きました。
「印象派だから好きでしょ?」と主人を誘いました。(いつも一人だけで楽しむのは悪いと思って、声はかけているのです)
主人は 「どうせ、ランチのためだろう?」といいながらも一緒に行ってくれました。
メアリー・カサット展 http://cassatt2016.jp/
メアリー・カサット(1844~1924) はアメリカ生まれで、絵の勉強のため21歳のとき渡仏、普仏戦争のとき一時帰国したものの、その後またヨーロッパにわたり、イタリア、スペイン、に住みオランダにも旅して、パルミジャニーノ、コレッジョ、ベラスケス、ムリーリョ、ティツイアーノ、レンブラントなどの絵を研究したうえで、1874年パリにアトリエを構えて制作を始めました。
そのせいか、会場に入って最初に出会う絵はバルコニーに男女がいる絵だが、「えっ、印象派のはずなのに」 と思うような絵でした。画風の変化、それと、イタリアですでに銅版画を学んでいたのですが、 日本の浮世絵を知ってそれに色を付けた作品も多く展示され、生涯、絵画の道を探求し続けたのだな、と思いました。
カサットの絵で一番気に入ったのは
「浜辺で遊ぶ子どもたち」 1884年
先日 「ベルト・モリゾ」を扱った映画を観ておいたのは、やはり時代背景を知るのによかったと思いました。
当時、パリのエコール・デ・ボーザールは女子学生の入学を許可していませんでした。そこで ルーブル美術館で 模写をして勉強ということをしたのですが。 映画にもその場面が出ていました。
またモリゾはどこへ行くのも 姉と一緒、当時 女性が一人ででかけりことは許されなかったのです。そういうまだ女性の社会進出が考えられなかった時代だったことも映画を思い出しつつ実感しながらみました。
アメリカでは特に女性の進出が阻まれていたのですが、パリでもそういう雰囲気はあったものモリゾたちの属する印象派は女性画家も隔てなくうけいれられていて、カサットはモリゾとも親しくなります。
ベルト・モリゾの絵も三点、そのうち、「縫物をする女性」 1897年頃
印象派らしい、気持ちのいい絵だと思いました。
モリゾがマネの家で出会ったエヴァ・ゴンザレスの絵も一点展示されていて興味深かったです。
ドガとは、1875年に ウインドーに飾られていたパステル画をみて「その絵が私の人生を変えてしまいました」と後年書いたように、ドガを尊敬、お互いに刺激し合う仲で恋愛関係もあったといわれるほどですが、これは確証がないそうです。
ドガのような 踊り子の絵も何点かありました。
銅版画も多かったのですが、 とくに目を引いたのは彩色されたもの。 日本の歌麿など浮世絵の影響からだそうですが、浮世絵を教えたのもドガだそうです。
多色刷り銅版画 「沐浴する女性」 1890-91年
家に帰ると夕刊(朝日)に丁度この作品がとりあげられていました。
背中の輪郭を一本の線で描き、女性の肌の柔らかさとボリューム感を表現した。その描線は ドガも嫉妬したほど とありました。
私はカミーユ・ピサロの絵が一番気に入りました。
「花咲くプラムの木」 1889年頃
ショップで絵葉書だけ、と思ったのですが、カミーユ・ピサロはなかったので、図録も買いました。カサットについて 絵のことだけでなく、女性の社会進出のパオオニアとしてジェンダー論などでも取り上げられる存在であることなどもわかって買ってよかった、でした。
美術館を出るときに名前をよばれて振り返るとなんと旅とものKさん。四月に泉屋博古館にご一緒して以来です。少し立ち話をして、これから鑑賞なさるという彼女と別れてランチ。
美術館からランドマークに戻るときいつも気になっていた キハチ にこの日はいってみようと考えていたのです。
1時に予約をしていたので、待っている方もいらしたのですが、すぐ入れました。
まずワインは シチリアの白で、 すっきり辛口、するする飲めてしまいました。
オリーブオイルとフォッカチャが運ばれてきます。
このお店 お料理が運ばれてくるまで、お皿とお皿の間がかなり長いのです。
話すことのない老夫婦にはちょっと退屈な時間をすごすことになりました。満席のせいでしょうか。
主人が「この店、男性客、何人いると思う?」見回すとみごと女性ばかり、男性は主人一人でした!ランチタイムってこういうことがあるのですよね。
前菜
本日の前菜3種盛り合わせ
パスタ
万願寺唐辛子とサッと炙ったイサキのペペロンチーノ カラスミ掛け
麺が固ゆで、伊佐木もおいしくて満足
主菜 ~主菜2種盛り合わせ~
・夏の定番!横須賀魚市場より届いたスズキのさっぱり梅山葵焼き
・牛リブロースの網焼き カフェ・ド・パリバターソース
お魚はおいしかったです。添えられてあるまこもだけ(写真で斜めに細長く出ているもの)、エリンギに似た食感で 少しシコシコ、ほんのり甘味があって。
私にとって問題はお肉、カレー風味だったのです。
私jはカレーライスは好きですが、カレー粉を振りかけて炒めたような味、特に匂いがダメなのです。お肉はおいしければ塩コショウだけでいいのに、、。(申し訳ないけれど、私的にはここで大幅減点、もっとも主人はおいしいと言っておりましたが)
デザート
シェフ特製デザート5種盛り合わせ
コーヒーまたは紅茶
私は紅茶にしましたが、少しハーブティっぽくて(何かの香りがした)おいしかったです。
雨の予報でしたが、ここを出てランドマークに行くほんの少しの間雨に降られただけでした。
少し蒸しましたが、暑くはなくてお出かけにはまずまずの日でした。
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