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2020年7月 1日 (水)

本を二冊『道行や』 『朝鮮半島と日本の未来』

二冊、本を読みました。「愛の不時着」を見て朝鮮半島のことを知りたくなったのでちょうど新聞広告に出ていた姜尚中氏の本を買って読み始めたところ、友人から「間違って二重注文してしまったのでよかったら」と本が届きました。

送ってくださった本は 

道行や』 伊藤比呂美著 新潮社

               20072803

この著者、なんとなく名前は聞いたことがあるけれど、という程度で予備知識は全くありません。でもこの表紙、副題?なんという言葉でしょう。読み始めました。なんだかお品のよろしくない表現もあって少しひきました。この方、詩人だそうです。友人は書評のコピーも送って下さったのですが、その評の冒頭に<美しい文章である>とありました。美しくない!体の各部の名称なども平気で書いていて戸惑いました。

エッセイ集なのですが、畳みかけるような表現など、やはり詩人だな、と思わせられる文章にもであい、それ以上にの著者の生き方に圧倒されて読みました。

破天荒な生き方をなさってきた方です。最初の結婚でお子様が二人、離婚後、別の男性との間に子供が一人、其の後アメリカにわたって、そこで再婚。かなり年上の方のようでその方は数年前に亡くなられています。

アメリカには20年くらい暮らされたそうですが、その間、熊本のご両親の介護に三か月ごとに日本に帰り、現在、早稲田大学の教授を頼まれたので日本に居住中。それも熊本におうちがあるので週のうち、半分は東京、半分は熊本の生活。そうしてその間に旅行もなさる、ともかく旅が多くそれが 道行や ということになったのでしょう。

内容は、自然のこと、犬や植物のこと、アメリカでの生活、友達のこと(ヨーコという名が多く、はっぱのヨーコさん、輝くヨーコさん、海のヨーコさんとか表現が面白い)それに大学での授業のことなど多岐にわたります。

簡単に破天荒と書きましたが、私のような生活とは違う、というだけで、考えなしのめちゃくちゃ人生、というわけではありません。

人生に正面切って体当たりしている、という感じなのでです。
大学での授業でシラバスを作りそれに沿って講義するのは苦手だそうです。今はリアクションペーパーというのに授業の感想を学生は書いて提出するようなのですが、そこに自分の悩みをかいて提出させ次の時間それについては学生たちに話させる、という試みをなさったことが書かれています。(授業のタイトルは、文学とジェンダー)あっという間に「人生相談」の場になってしまったそうですが、そうやって学生に考えを深めさせる方向に向けて行ったのではないかと思います。講義内容を決めてそれにそって話すより、問題をうけとめて相手のはなしを聞きさらに問題提起をして考えさせる、その時その時が真剣勝負になるのではないでしょうか。

このエッセイ、読んでいてあれっ、ここおわり?と戸思うことがよくありました。一つ工夫があるのです。始まりを調整しているのでしょう。一篇、一篇のエッセイの最後がページの最終行で終わるのです。終わった、と思わなくてページをめくると、次のテーマになっている。なんだかはぐらかされたような、置いてきぼりにされたような感じがするのです。そこでもう一度最後の方を読んでああ、これで終わりでいいのだ、と思い直すのです。

道行き、読者をどこかに運んでいく仕掛けかもしれません。

美しくない、と書きました。山の途中を表すのに、体の名称をあてるなど、ほかに書き方はないの?とおもったりもしましたが、風景描写はすてきなのです。朝に夕に犬をつれて散歩をするのですが、カリフォルニア、熊本どちらも自然に恵まれたところに住んでいらっしゃるようで、海が近い、川が近い、山が近い、荒野がある、、、 うらやましいかぎりです。そこでの夕方の景色の描写が実にすばらしいのです。夕暮れ鳥が群れをなして飛んでいる様子、燕が降りるというより落ちるように、寝にいくというより死にに行くというようにとめどなく空から降ってくる様子など、ああ、こういう光景見たいなあと思いながら読みました。最後の最後、海へ犬を遊ばせにいく時の道行もとてもよかったです。 

友人のおかげで自分では買わなかったであろう本を読むことが出来て嬉しかったです。

もう一冊は

朝鮮半島と日本の未来』姜尚中著 集英社新書

              20072801  

この著者は有名な学者という、以外(恥ずかしいことに)全く知りませんでした。韓国ドラマ「愛の不時着」をみて挑戦半島について知りたくなった時に新聞広告で目についたのが、この本。そこで有名な姜尚中氏の本も一冊読んでみようとおもって買いました。

      20072802

朝鮮半島をめぐる歴史をたどりながら、明かにしたいことは<現在の朝鮮半島をめぐる危機は冷戦下に形成された分断体制の解体の始まりと連動しており、朝鮮半島をはじめ日本を含めた北東アジアの平和と安定は、分断体制に代わる新たな秩序の構築いかんにかかわっている>として論を進めています。

現在の韓国というと、慰安婦問題、徴用工問題で反日感情が高まっているけれど、日本側からすると、もう解決済みでなかったの?さらに国内問題がうまくいかないとなると反日をあおっているのではないか?という意見がきかれたりもします。北朝鮮についてもなぜミサイルの発射を繰り返すのか?それも日本に向けて、なんといっても拉致は言語道断それに、核兵器を持つなんて!(核兵器はほかの軍備にくらべてコスパがいいのだそうです!)と日本からすれば困った存在になっています。然し、すぐお隣の国、なんとか共存共栄でうまくやっていくべきだ、との思いは誰にもあると思います。

念のため書いておきますが、私は嫌韓では決してなくニュートラルのつもりです。もともと目はヨーロッパにしか向いていなかったのですが、韓ドラの歴史ものなど見ているうちに韓国という地理的状況からくる立場の弱さ(ずっと隣の大国、中国に朝貢しなければならなかった)に同情をよせ、そういう中でよくがんばった、この誇りの強さはこういう歴史の中で培われてきたものと、理解するようになっています。現在ではアジアでは唯一、一度は行ってみたい国です。

なぜ日本は韓国から恨まれなければならない存在なのか?について
<そもそも両国にとって近代とはなんだったのか?日本にとって明治以降の歴史は近代化を成し遂げ列強の仲間入りをした輝きに満ちた時代だが、韓国は日本の膨張主義によりその影の部分を引き受けざるをなかった。日韓併合から110年、南北に分断されたまま、統一的なナショナルアイデンティティを作りえないまま、韓国は日本との遠い過去の歴史認識をめぐって緊張を続けているのである。>

やはり根は深い、でも日本だって黒船が来て大慌てでがんばったのではないか?がんばらなければどうなっていたか 、、 でも日本は島国で得をしているところもあったのかもしれない、韓国はよく中国という大国の圧迫にたえて長い間がんばってきたものだ、でも、あの18世紀後半にもう力をなくしていたのかなあ?富国強兵なんていう言葉を思い出して少し考えこんだりもしました。(感想があまりにも低レベルです)

北朝鮮については
北朝鮮が一貫して求めていたのは核保有国になることではなくあくまでも体制存続の保証であり、その体制保障の交渉相手は米国に限る、 とあります。この試みは全く前進していないわけではなく、らせん状にゴールに向けて歩みを進めている、とみています。

約束には約束を行動には行動の相互主義、互恵主義でひとつづつ積み重ねていく必要性も説いています。

歴史をおって朝鮮半島と日本の関係を簡潔に説明して文在寅大統領のやり方のまずさを指摘するなど偏らない見方で語っていると思いました。そうしてあるべき姿、二国間交渉と多国間交渉における日本の在り方について書いているのですが、当たり前すぎる理想だと思うけれど、なかなか現実の政治家がこう動くことはないのではないのでは?という気がしました。著者ご自身も、これには長い年月がかかり、自分はもう統一を見ることはないだろう、とかいています。

要約するには取り上げている内容が多岐にわたりすぎて私の手に余ります。
この辺でおわりますが、私のように歴史を知らない人間にとっては貴重な一冊でした。 

 

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