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2020年7月10日 (金)

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

一昨日(7月8日)上野の西洋美術館に行きました。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展をやっています。ロンドンのナショナル・ギャラリーには一度だけ行ったことがありますが、広くて観たのはイタリア絵画の一部だけです。新型コロナでどうなることかと思っていましたが、開催時期を変更して開かれたのはうれしいかぎりです。  

新型コロナ対策のため、チケットはあらかじめ日時指定で購入しておかなければいけません。前もっての購入なので、当日お天気と相談して、というわけにはいきません。九州地方の豪雨で、関東もどうなるか、と心配でした。

朝、強風でしたがとりあえず雨は降ってはいませんでした。往復の電車、バスの密を避けるため11:30~12:00入場のチケットをとってあります。順調にに到着。久しぶりの西洋美術館です。雨に洗われた緑にロダンの彫刻が映えます。         

      20070901

マスク着用だけで、一応 熱のある人は、、の表示はありましたが、1m間隔で並んで入場。熱を測ったりはされず、おかれているアルコールジェルで手指の消毒しただけでした。(先週、デパートの美容室に行ったときはずっと厳重で入口で検温されました〉

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
 
https://artexhibition.jp/london2020/  主要作品の解説も動画であります。

数制限しているせいで、中はすいていました。人と人との間隔をあけるように、という注意書きはありましたが、一枚の絵の前に、4.5人いる場合もありました。肩がふれあうほどではありませんが、結構ちかかったです。勿論、絵の前に1人もいないこともありました。

おかげでいつもよりずっと、ゆったり鑑賞できました。 

私のお目当てはクルヴェッリです。クリヴェッリは大好きです。アムステルダムで観た「マグダラのマリア」のゴージャスな絵は忘れられません。

会場では最初の部屋がイタリア・ルネッサンスの部屋で真正面に「聖エミディウスを伴う受胎告知」1486年 カルロ・クリヴェッリ
が展示されていました。

             20071003

大きいのです。207×146.7㎝

帰りに図録をかったのですが、幅広の帯がついていて、クリヴェッリのとゴッホのと2種類。クリヴェッリを選びました。

            20071001

解説は上記サイトで詳しくされていますので、私ごときが書くことはありません。
マリアの肌の陶器のような美しさ、当時の屋敷の豪華さ。美術書でよく知っている絵ですがやはり実物は凄い。ただ写真ではわからなかったことなのですが、上にかけてある絨毯、これが油絵具をぬりかさねたようでデコボコ感があるのです。聖霊の鳩が一羽だけでなく何羽もいるのも面白いです。かなりの時間、この絵の前にじんどってしまいました。

全部で61点、イタリア・ルネッサンスからフランス近代絵画まで有名画家の作品が1,2点ずつおかしくなるほどまんべんなく取り上げられています。ウッチェロもいい、あら、フェルネールもヴァン・ダイク、ゴヤ、エル・グレコ、、、モネ、ドガ、ルノワール、、、。あげていけばきりがありません。図録から絵を拝借するのもよくありませんので何枚かだけ。

驚いたのは デイエゴ・ベラスケス ベラスケスと言えば宮廷画家、とおもいこんでいたのですが、
『マルタとマリアの家のキリスト」(1618年頃)     

      20071004

(図録からなので少しまるまっています)。マリアは働きもしないでお話をきいていて、と不貞腐れたマルタの顔、気に入りました。ベラスケスは宮廷画家になる前はセヴィリアでこういう風俗画を描いていたそうです。

スルバランはよく聖女を描いています。一見これは民族衣装を着た普通の女性かと思いましたが、やはり聖女でした。

「アンティオキアの聖マルガリータ』(1630-34年)

         20071005


羊飼いをしていたマルガリータは信仰ゆえに結婚をことわったため、牢屋にいれられ、龍に姿を変えた悪魔にたべられるのですが、手に持っていた十字架の力でおなかがさけて無傷で出てこられたのだそうです。それで彼女は出産の守護聖人なのだそうです。暗くてわかりにくいですが、足元に龍がいます。エキゾチックな衣装を身につけていますが、まなざしはおちついて、やはり聖女です。とても気に入りました。

最後の部屋の正面にゴッホの「ひまわり」(1888年)

           20071006

この夏ゴッホは4枚のひまわりを描き、中でもこの絵をゴーガンが絶賛したそうです。    

ゴッホの「ひまわり」は昔安田火災が買った、というので大ニュースになりました。今では損保ジャパンの東郷青児美術館で常設されていますがそれと同じ構図のものです。現在ロンドンにあるこの絵をもとにしてゴッホが2枚描いたもののうちの1枚だそうです。損保ジャパンのものもステキだと思って観た覚えがあるのですが、今これを見るとやはりこれも、同系色のバックに溶け込むようでいて少し寂しい、静かな存在感があって、感動しました。

61枚というのは程よい数、1時間半ほどで見終わり、ショップでお買い物

図録 裏はターナの(ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」(1829年)です。

        20071002

主人と一緒ですので重い図録も大丈夫。そのほかクリアファイルやら一筆箋、絵葉書などを買い込んで、さてお昼を、と「水連」に行くと20人くらいの列。あきらめてそのまま帰ることにしました。
帰るまで降られず、涼しい、というより寒いくらいでしたので、5時間近くマスクをつけっぱなしでも中がむれることなくて助かりました。

:::::

せっせと歩いています。今はコースをかえて毎朝4200歩です。季節はうつりかわってアジサイはもうおしまい。
葵が満開です。

       20071007  

この度の豪雨のニュースに心を痛めております。被害に遭われた方にこころよりお見舞い申し上げます。

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美術、映画」カテゴリの記事

コメント

伊達様 
おひさしぶり!お出かけは命がけ!ずっとおこもりつづきでしたが、 ここのところ、週一度づつ、美容院、 美術館、カルチャーセンターと出ています。
神経質なほうなので、エレベータ―のボタンもティッシュでおさえるほどですから、転びそうでも階段エスカレータ―の手すりはつかみません。 触った時は即 アルコール入りウエットティッシュでふきます。帰ってくるともうぐったりです。
でも急激に感染者数がふえてきたのでもうお出かけは無理ですね。
国内旅行、 8月末と10月に申し込み、12月のも仮予約していますが、、、、。 首都圏発老人旅行は だめかもしれませんね。
上野も心配でしたが、予約で、時間帯を選んでいきましたから、密はさけられました。
有名画家の作品ぞろいでしたが、去年のコートールドの方が内容的には充実していたように思いました。Facebookはやっていません。伊達さんのが拝見できなくて 残念です。でも ホームページとブログで手一杯なのです。 ホームページはやっとリモージュです。 
ケイト・モートン、インドリダソンそれぞれ 新作が出ていたのですね。教えてくださってありがとうございます。買いこんで読まれるのを待っている本が6冊、教えてくださった本はメモしておいてもう少し先の楽しみにとっておきます。 
ミステリーというかスパイものとしては新規開拓と ダニエル・シルヴァという人の本を2冊(上下なので4冊)かいました。 Israelの諜報機関の人が主人公で、『赤の女』と『ブラック・ウィドウ』
どちらも面白かったのですが、、、。 ブラック・ウィドウの方は ISに潜入する女スパイの話なのですが、イスラム対ユダヤの話になっているところがあります。IS はもちろん悪いのですが、ユダヤ人が パレスティナの地をどんどん浸食していっている状況なども思い合わせると、後味はよくなかったです。
世界中コロナで手一杯、IS のことなど どこか行ってしまった感じではありますが。
そうそうインドリスタンの『湿地』は 映画化されていますね。ユーネクストでみました。昨日は ユーネクストで ジョン・ル・カレの『我に背きしもの』を見ましたが、原作とは大分ちがっていました。


今日は!
CARLO CRIVELLI見に上野ですか?
凄い!
私は怖くて!未だ電車に乗れません。
感染したら即あの世行きの年齢と、数々の持病を抱えているので、
老夫婦相変わらず籠もっております。
2歳の孫にも半年会っておりません。

「CARLO CRIVELLI!」
偶然です。
今日!イタリア、マルケ美術を訪ねた時のCARLO CRIVELLIの絵を!FBにシャアし、アップしたところです。
Instagramと違いFacebookは写真の枚数も制限ないので、
まとめて、少し説明をつけて載せました。

では! 
気温差激しき折お身体お大切に!
コロナに気をつけて。

追伸
面白い本を読みました。
ケイト・モートン作
「秘密」上下

そして
アーナルデュル・インドリダソン作
「湖の男」
これはシリーズもので読んでいて、
アマゾンからのオススメで購入。

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