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2023年7月

2023年7月31日 (月)

『スウェーディッシュ・ブーツ』

2020年にヘニング・マンケルの『イタリアン・シューズ』を読みました。その時続編も書かれていることは知っていましたが、それがつい最近(4月)翻訳出版されたことに気がつきませんでした。aiai様の情報で知って、早速、購入。
出版は2015年夏、その年の10月に、マンケルは癌で亡くなりました。67歳でした。『スウェーディッシュ・ブーツ』はマンケル最後の作品です。

届いた本は分厚くて470ページ、少しひるんだのですが、1日ちょっとで一気読みしてしまいました。

スウェーディッシュ・ブーツ』ヘニング・マンケル著 柳沢由美子訳 東京創元社

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スウェーデン近海には文字通り無数の小島が散在しています。
試しにグーグルマップでスウェーデンをひらいて拡大、拡大していくと、スゴイです。沿岸はまるでクッキーを砕いて散らばしたように点々と無数の島が散在しているのが見られます。
そういう小島を個人所有している人もいるようです。多くはそこにサマーハウスを建てて、休暇を過ごすようですが、この物語の主人公フレドリックは祖父母から贈られた島の家に一年中、住んでいます。

変人と思われていはいますが、元医師ということで一応存在は認められています。 
これは前の本で知らされていることだから書いてしまいます。外科医として働いているとき、腕を切り落とさなければならない患者がいたのですが、看護婦がまちがえてその必要のない婦人を手術台に乗せてしまったのです。多分、直接的には看護婦の責任でしょうけれど執刀医は本人確認をしなければならないはず。恐ろしいミスです。
このことを悔いて医師をやめて島にこもってしまっているのです。
前作で、昔付き合って捨てた女性との間にルイーズという名の娘がいたことを初めて知ります。気性が激しく、ヒッピーのような暮らしをして社会運動にのめりこんだりしていました。

 

小説は一人称でフレドリックの語りとして書かれています。
およそ一年前の秋、家が全焼したという記述から始まります。

夜、寝ているときに家が火事になったのです。調査の結果、放火によるものと判断されます。そうしてあろうことか保険金狙いでフレドリック自身が自宅に火をつけた、と疑われるのです。
家が全焼して持ち物をすべて失ったのですが、逃げるとき長靴を両足とも左用を履いてしまっていました。それでトレトン社の長靴を注文するのですが、それがこのタイトルの由来です。(調べてみると、このブーツ日本でも通販で買えるようです)

幸いにもルイーズが置いていったトレーラーハウスがあるのでそこで寝泊まりすることにします。ボートもあります。もう一つ、小島(岩礁)も所有しているのですが、そこにテントも張ります。

ネタバレ!ですが、書いてしまいます。

フレドリックは一人でいて、あれこれ子供の頃のことなどが浮かんできます。ものすごいパニックにも襲われます。そうして老いを自覚します。この時フレドリックは70歳という設定です。後悔、体の不調など。
体調不良を感じるよう
になった今の私なので、この本はすっと入ってくるのですが、若い人は投げ出すのではないか、という気がしました。重苦しいところがあります。孤独のうちにあれこれ思い出して悶々としている様が描かれるのですから。
そうしてあろうことか(というのは老いをグタグタ言っているのに、という意味で)インタビューに来た40歳くらいの女性リーサ・モディーンに恋心をいだいてしまうのです。それも抱くなどという淡い簡単なものではないのです。

群島の人達は集まって放火犯を探そうと話し合います。移民が怪しい、見知らぬ人は入れるな、フレドリックはそれはない、というのですが。そういう偏見が残っている地域でもあるのです。でもフレドリック自身も偏見があるのかもしれません。間に合わせに買った衣類がどれも中国製だった、ということに不快感をもっているようですから。たんに品質の問題だけかもしれませんが。
またブーツもスウェーデンのトレトン社のブーツにこだわっています。おしゃれではなく、普通のワークブーツらしいのですが。
前後しますが、これは火事直後に注文して結局最後に届くことになるのです。スウェーディシュ・ブーツがない、最も身近にあるべきものがない。それが手に入る(日常が戻る)までの異常な出来事、ということになるのでしょうか。

知らせを聞いて娘のルイーズもやってきます。
島も家もルイーズにあげる約束です。家をまた 建てるかどうかもルイーズの希望次第です。
ルイーズは家を再建するのは当然と思っています。そうして「庭」を作る、といいます。この島で花を育てるのは無理なのに?

なんとルイーズは日本に行ったことがあり、ダイセンインで見た石と砂利のみでできている石庭「虚空の大海原」をここに作ろうというのです。京都のダイセンインといえば、大徳寺の大仙院? でもソウアミという僧が作ったというので違う気もします。
大仙院の庭を作ったのはソウアミ(相阿弥)ではありませんから。あとで後ろの解説を読んで龍安寺だと知りました。
フレドリックは見せられた石庭の写真に感動しないのですが、ルイーズの受けた感銘は多分、マンケル自身が石庭を見と時の受けたものだったのでしょう。

その時ルイーズに妊娠していることを打ち明けられます。しかし相手がだれか、現在どこに住んでいるか、仕事は何かも話さず帰ってしまいます。

ところが、暫くして

警察に捕まったから助けに来てほしい、とルイーズから電話。パリからです。
すぐ駆けつけます。大使館の助けを得て、どこの拘置所にいるか探して、娘を救い出すことができます。罪状はここでは書きません。善良な市民には考えられないことをやっていたのです。
その間、若い頃の思い出をたどりながらパリの町を歩くのですが、いよいよ老いの自覚を深めるばかりです。

ルイーズは自分の住まいへ案内します。相手の男はアルジェリア人で障害を持つ弟も同居しています。元医師である自分の娘が、このような底辺の暮らしをして生業というのがまた、、、。彼には全く理解できません。ルイーズは打算で人生を考える娘ではないので世間的評価など受け付けません。警備員の仕事をしているムハンマドに従属しているように見えるのもショックです。

ほかにも同じように放火されて全焼した家もあり、フレドリックに対する容疑は晴れます。
家は再建され、早産でしたが、ルイーズの子供も無事生まれました。
これはフレドリックにとって非常に大きな喜びだったのです。名前はアグネス。ルイーズは知らないでつけたのだと思いますが、確か腕を亡くした女性がアグネスだったような。

近所の人の死があり、また昔の患者の若い死も書かれています。しかし、孫の誕生でフレドリックは新たな命を吹き込まれたようなラストでした。

老人の繰り言みたいな出だしから最後は 改めて自分の人生を生きよう、という前向きなものになっていました。 

これを書いているとき著者はもう死期を悟っていたのかもしれません。
昔の患者の若い死、この若者の病状はマンケルと同じらしいです。若者のその時の反応はマンケル自身の反応だったのかもしれません。痛ましいかぎりです。
しかし新しい生命の誕生は嬉しく、素晴らしいもの。それできっとすべてを受け入れて与えられた命を生ききろうと決意したのではないでしょうか。

多分、人生、生きるにあたいすることだ、といいたかったのではないでしょうか。

それにしても67歳の死は早すぎます。とても残念です。

翻訳が出ていることを教えてくださったaiai様 ありがとうございました。

2023年7月29日 (土)

『嘘と聖域』

次々と本が届くので「断捨離の時なのに」とあまりいい顔をされません。それで一休みして、ながーい中国ドラマを見ていました。
全50話、くだらないと思いつつ、でも次が気になって4日間で全話観てしまいました。もともとドライアイなのに、もう目が乾きすぎ。ドライアイ用目薬をときおりさしながら。でも最後はささなくても目が潤んで、、、根が単純なものですから。(お恥ずかしくてタイトルは書けません。中国時代物、まだまだありそうで次を物色しています)

ぼーっとして余韻を消したくはなかったのですが、昨日は二冊ある本の内短い方を読みました。面白くて一気読み。

嘘と聖域』 ロバート・ベイリー著 小学館文庫

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原題は訳すと「嘘の遺産」になります。この方が内容にあっている気がするのですが。

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検事長のヘレン・ルイスはタフで厳正だけれど、容疑者の更生も心配する人物としてブラスキの町の人々から信頼されています。彼女が主人公のせいか、登場人物の殆どが検事、弁護士、保安官など彼女の知り合いです。
女子高生レイプ事件が裁かれようとしている折、ヘレン・ルイスは元夫殺害容疑で逮捕されます。
レイプ男は実業家で、有罪が確定すると、ちょうど契約しようとしていた日本の企業(ホシダ自動車、ホンダが想定?)との事業が起こせなくなります。彼ザニックが怪しい?
次の検事長を狙っている人間もいます。グルかな?
もう四面楚歌
ヘレン・ルイス7は友達で超有能な弁護士ボー・ヘインズに弁護を依頼します。しかし調べても調べても出てくるのはヘレンに不利な証拠ばかり、、、。
さらにに厄介なことにヘレンは昔、中絶をした、という文書まで出てきます。

私は中絶の経験がないのであまり考えたことはないのですが、本人にとってはつらい決断だと思います。しかし日本の社会は意識として中絶に対して厳しくはないのではないでしょうか?法的にも多分母体保護とかで許可されているはずです。調べてみるとパーセンテージも高いです。
キリスト教国とそうでない国との違でしょうか?でもちょっと調べてみると、フランスでは女性の権利として認められているのです。
アメリカではそれぞれの州に判断が委ねられています。アメリカ南部のように保守的なところでは当然、中絶は許されません。住民感情としてそうなのですから、陪審員裁判では決定的に不利になります。

弁護士ボーの家庭事情などもはさみながら、調査は続きます。思いがけない助っ人も現れて。

これ以上は 書かない方がいいでしょうね。

意外な展開が 続いて、、、。

それにしても裁判って何なのでしょう。勝てばいいのですね。

この新シリーズ、続けて読みたくなりました。 

2023年7月25日 (火)

『鬼棲む国出雲』高田崇文著

先月読んだ『京の怨霊、元出雲』は古事記異聞シリーズの第三冊目で、その第一冊目である『鬼棲む国、出雲』を読んでみることにしました。出雲、島根県は学生時代に旅行したことがありますが、出雲大社も素通り、足立美術館も多分まだなかったのではないでしょうか。最近、神社建築に少し関心を持ち始めています。独特の大社造りの模型が博物館でみられる、というので改めてこのあたり行ってみようと考えたのです。大まかなプランつくってあるのですが、今の体力では、、。ま、気持ちを奮い立たせる意味もあって、読みました。

鬼棲む国、出雲』古事記異聞シリーズ 高田崇文著 講談社文庫

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『京の怨霊、、、』と同じ三月、京都に出かける前に橘樹雅は出雲に出かけます。4月から大学院に進学する雅のテーマが出雲だからです。なぜ、出雲?ミーハーっぽく出雲大社が縁結びの神様!だからです。
どうもこのシリーズは神話がらみの殺人事件が起こるのが定番のようです。
私は神話に全く不案内です。ここで取り上げられる『古事記』も『出雲風土記』も手にしたことはありません。

この本、非常に読みにくかったです。
神話に不案内なのに、神様だらけで、素戔嗚尊とか大国主命などは読めますが、その他山ほど神様が出てきて名前が漢字で書かれているからです。
最初はふりがなをふってあるのですが、次に出てくるときはふりがな無し、すぐ読み方を忘れるので元のページに戻らなければなりません。図形認識的に漢字の形のままで覚える、という能力はありません。音にだして読(黙読でも普通、頭の中では音読みしている)み進めることができない、というのは非常なストレスです。疲れました。

雅の出雲旅行中、松江市東出雲町、黄泉比良坂(よもつひらさか)で揖夜神社の巫女が殺される、という事件が起こります。黄泉比良坂、なんだか気味の悪い地名です。
死んで黄泉の国に下った伊弉冉尊(いざなみのみこと)を追って黄泉の国に下った伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が恐ろしい姿の伊弉冉を見て逃げ帰って、あとを追ってきた伊弉冉を大きな岩でふさいだ場所が黄泉比良坂なのだそうで、グーグルマップで調べてみると実在する場所でした。どうやら現在ではこのあたりは縁結びのパワースポットとして人気があるらしいです。  

この世とあの世の境界です。

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ここで近くの揖夜神社の巫女が殺される、という事件が起こります。
その死体の髪はばっさり切られ、髪には柘植の飾り櫛、そうして金色のかんざしが、、、。
この物語は名に櫛を持つ神と櫛にまつわる話で、謎を解くのに雅が力をかします。

ストーリーは省略です。

雅が訪ねた神社(出雲大社をはじめとして熊野大社、能義神社、神魂神社、八重垣神社等々)どこも行ってみたくなりました。彼女のように道中で死体発見などはいやですが。
奥出雲にむかうところで話は終わり、「たたら」に関するはなしのようなので、次の本も注文してしまいました。

 

やっと体が本調子になってきたようです。と、いっても私levelの話ですが。散歩をしよう、という気持ちも出てきました。
散歩道の街路樹がいつの間にか植え替えられて、サルスベリになっていました。

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あさ、7時半に家を出たのですが、もう暑くて8時に戻りました。

 

2023年7月22日 (土)

『世界でいちばん透きとおった物語』

新聞の「売れてる本」で紹介されていた本です。
紹介者がブックデザイナーの方で、本が届くまであれこれ想像、透きとおった物語
とは紙質のことであろう、、、、違うのです。

私はタイトルと表紙の絵から、淡い初恋物語かと想像しました。

世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光 著 新潮文庫

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まあ、淡い恋物語的なところもありました。

冒頭に引かれた 宮沢賢治の詩の一節も意味ありげです。
  すべてさびしさと悲傷とを焚いて
  ひとは透明な軌道をすすむ
  ラリックス ラリックス いよいよ青く 
  雲はますます縮れてひかり
  わたくしはかっきりみちをまがる 『小岩井農場』
青空文庫で全文読んでしまいました。宮沢賢治はちょっと苦手なのですが、きれいな詩でした。ツアーの行程によく小岩井農場が入っていたりするのですが、この詩に惹かれていきたいと思う方がいらっしゃるのでは?と思いました。

横道にそれました。

藤阪燈真は校正・者藤崎恵美の子で多分20歳、高校を出て書店員のバイトをしています。父親は有名な推理小説家宮内省吾ですが、不倫によって生まれた子で認知もされていません。しかし容貌は美男の作家に瓜二つです。
燈真は小さい頃、脳に障害があり大手術を受けてその後遺症なのか、本が読みずらいという障害があります。紙の本は読めなくても、電子書籍なら大丈夫。また教科書はだめでもテスト用紙は読めるという(不思議な)状態です。  
校正者の母のところに原稿を取りに出入りしていたのが編集者の霧子。

そういうわけで友達もなく母と二人で静かに暮らしていたのですが、2年前母親は交通事故で亡くなってしまいます。(本名・松方朋泰)

いよいよ一人で書店との往復だけで暮らしていました。そういうところに父親・宮内省吾の死が報じられます。
自分たち母子を捨てた人間、作家としても勝手で編集者泣かせ、そのうえ女遊びがすごいとか。亡くなったからといって悲しくも何ともありません。悪い奴であればあるほど憎むのに好都合、と思っているくらいです。

そこに、正妻(既に離婚してはいますが)の子・松方朋晃なる人間から電話があります。
会ってみると派手な服装で崩れた感じの人間です。「流行作家といっても宮内は金遣いが荒くて遺産といえるものは殆どない、ただ最後に何か書いていたようだ。その原稿をみつけて出版すればお金になる、それを探してくれないか」という話でした。霧子もつきそってくれていて、「世界でいちばん透きとおった物語」の原稿探しに着手。

最後にとけた謎、父親の姿   結構よかったです。

2023年7月20日 (木)

『不実在探偵の推理』 井上悠宇著

先日の新聞の読書欄のミステリ紹介で、これまでにない斬新さを味わいたいのなら、と紹介されていた本をポチリました。

不実在探偵の推理』 井上悠宇著 講談社

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届いた本をみて、新聞で表紙を見ていたとはいえ、今風漫画チックな絵にちょっと引きました。書き方もちょっと若者風、と思いながらでも折角買ったのだし、と読みました。

強面刑事の百海広海(なきりひろみ)と美人刑事の烏丸可南子のコンビが事件に当たります。

第一番目の事件は花屋の店員女性の死、それに続いての男性店長の死、
二人は捜査に当たります。自殺か他殺か、原因は? 一通り捜査が終わったところで、百海は 名探偵のところに行こう、と烏丸を大学に連れて行きます。 
そこには百海の甥・菊理現(くくりうつつ)が待っています。彼は黒い箱を持っています。これが名探偵だというのです。
ボイスレコーダーを聞かせて事件の詳細を教えた後、謎をといてもらうわけですが、犯人はだれですか? という問いはだめで、自殺ですか?などイエス、ノーでこたえられる質問でなければだめなのです。
理由もこちらで推理したものを言って、イエス、ノーで答えてもらう仕組みです。なんだか昔あった「二十の扉」みたいですが、こうして真相を解明するのです。 

箱の中にはダイスが入っていて質問されると目が変化するのだそうです。イエスなら1,ノーなら2、わからない、、、関係ない、、の目がでます。その目を見てウツツが答えるわけです。

百海は「世にも珍しい実在しない名探偵」と言いますが、ウツツには見えているのです、名探偵の存在が

「彼女は実在している。存在が不確かなだけで、ずっと僕の傍らにいるんだ」ウツツにはこの見えない探偵を非実在ではなく不実在としたいようです。

ウツツは小さい時から 巨大くらげや馬人間、妖精といった空想の産物と言われるようなものが実際に見えていたのです。

謎解きをしている今傍らにいるのは彼のイマジナリーフレンド。「私が探偵をやるからあなたが助手をやって」

というわけで 叔父の百海の力になって黒い箱に問いかけて解決に協力する話でした。

花屋の店員の死、新興宗教の教会での事件などがあるのですが、詳細は書きません。
新興宗教教会の事件など面白かったのですが、一番面白いのは水晶玉ならぬ青い透明なダイスによる解決法でしょうか。 

 

2023年7月18日 (火)

『捜索者』 タナ・フレンチ著

どのようにしてこの本にたどりついたのかはもう忘れました。ア〇ゾンさんの紹介かな?
ともかく、アイルランドが舞台、だけで読もうと決めるアイルランド大好き人間です。

捜索者』 タナ・フレンチ著 ハヤカワ文庫

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離婚、そうして25年勤務した仕事も辞め、アイルランドに土地を求めてやってきた元シカゴ警察の刑事カルの遭遇した物語です。
英米各紙の年間ベスト・ミステリに選出された現代犯罪小説騎手タナ・フレンチの新たな代表作とあるので、ミステリーと思って読み始めましたが、ミステリー要素がないまま話が進んでいきます。

アイルランドの田舎にウェブサイトで50㎡の家付きの4万㎡の土地を求めたカルは独力で古家を修復をしています。

アイルランドの片田舎、多分住民の仲間には入れてもらえないだろう、とおもっていたけれど、そういうことはりません。 隣(といっても少し距離はありますが)のマートはいろいろ村のことを教えてくれる良き隣人のようです。雑貨屋のノーリンも親切で早速自分の妹と結婚しろ、と言ってきます。でもなんだか、やはり誰かにみられて、警戒されているような。
 
引っ越して3か月、どうも家の周りを誰かがうろついているようです。子供でした。すぐ逃げたのですが、きっと何か用事があってきたのだろう、と想像。次の日もやってきたのでその子(名はトレイ)に大工仕事を与えて様子を見ます。
その後二人で仕事をしながら、ついにトレイがここに来たわけを話します。カルが元刑事だと聞いたからで、いなくなった 兄ブレンダンを探してほしいためにカルに近づいたのです。

ブレンダン探し、どうやらカルは村人がよそ者には立ち入ってほしくない領域に踏み込んだようです。探そうと尋ね廻っているうちに怪我をさせられたりもします。が、ここではネタバレになりますからこのブレンダン探しには触れません。

この小説は謎解きよりむしろトレイとの交流、アイルランドの景色の描写、隣人マートやレナ(ノーリンの妹)などの人物描写に良さがあるように思いました。 
ラストもとてもよかったです。あの二人、きっとこのあまの状態でいるのでしょうね。

 

2023年7月15日 (土)

『ルクレツィアの肖像』 マギー・オファレル著

何かいい本はないかな?というとき、まずチェックするのが新潮社のクレストブックスです。

開いてみると刊行されたばかりのマギー・オファレルの作品がありました。少し前に読んだ『ハムネット』はまだ記憶に新しいです。もう新作が出たのか、とすぐポチリました。

ところで、ルクレツィアとくるとすぐ思い浮かぶのは同じエステ家に嫁したルクレツィア・ボルジア(1480~1519)です。
兄チェーザレ・ボルジアの権勢欲の駒にされながらもファム・ファータールとしても名をはせた女性です。塩野七生さんの『ルネサンスの女たち』にとりあげられていて、以前フェラーラに行ったとき、墓所のあるコルプス・ドミニ修道院まで行ったことがあります。残念ながら11月は冬季休業中ではいれませんでしたが。
ここで取り上げられているのは彼女の孫にあたるアルフォンソ二世妃となったメディチ家のルクレツィア(1545~1561)です。
彼女のお墓もコルプス・ドミニにあり、作者が訪れたときはボルジア家のルクレツィァではなくメディチ家のルクレツィアを詣でる人は初めてといわれたそうです。それほど歴史的には無名の人なのです。
でもそれだけに物語に取り上げて息を吹き込んであげたい、という思いはわかります。 

ルクレツィアの肖像』 マギー・オファーレル著 新潮社 クレストブックス

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この本を見つけたときは「山のホテル」に泊まりに行くことに決めていて、クラシックホテルに持っていくのにふさわしいと考えたのですが、この帯のキャッチフレーズを読むと、ページをめくらずにはいられません。結局おしみおしみ三分の二ほど読んでから持っていきました。

ルクレツイア・ディ・コジモ・デ・メディチはトスカーナ大公コジモ1世の3女。1588年にモディナおよびフェラーラ公アルフォンソ2世デステと結婚、1560年フェラーラに移った翌年に急死した。子供はなく、夫に毒殺された、と広く噂された。(本作品では1560年にフィレンツェで結婚すぐエステ家の領地に向かったことになっています)

史実として分かっているのはこれだけらしいです。本書では、死因は発疹チフスとされているが、夫に殺されたとの噂があった、となっています。

彼女について分かっていることはたったこれだけなのです。
それをふくらませて430ページもの分厚い小説にして、飽きさせないのですから、マギー・オファーレルという作家、スゴイです。

****

帯に書かれている内容紹介

16世紀イタリアのフィレンツェに生まれたルクレツィアは、病死した姉の身代わりで、フェラーラ公アルフォンソ2世に嫁ぐことになった。
世継ぎの誕生を強く望む夫に、ルクレツィアの身体は所有されていくが、彼女の類まれなる想像力と絵の才能までは決して侵されることはなかったー。

1561年、多分殺されるであろう日の直前の場面から始まります。フェラーラから馬で丸一日かかる狩猟用の山荘としょうする砦(フォルテッツア)に連れてこられた日の夕食の状況です。
彼女は「殺される」と確信しています。彼女のおつきの召使は連れてこられていません。しかし、夜中に具合が悪くなって(毒を盛られた?)苦しんでいると、誰かが看病していました。看病していたのは信頼しているおつきの召使エミリアでした。彼女は2歳年上でフィレンツェから連れてきた召使です。心配してこっそりやってきていたのです。

話はフィレンツェの子供時代に飛びます。他の子供とは違っていて人形遊びなどしない、一人でいることを好み、こっそりパラッツオの秘密の通路を歩いたりしています。絵を描くことが大好きな少女でした。
話はまたフォルテッアの現在に戻り、また それ以前の話、結婚が決まった経緯、結婚の様子、その後の生活、などが語られ、またフォルテッツアへ。
新婚直後の別荘での楽しい暮らし、フェラーラの城に入ってからの生活、アルフォンソの妹たちのこと
など。
彼らの母親は ルネ・ド・フランスつまりフランス王女(ルイ12世とアンヌ・ドブルターニュの間の子)ですが、新教徒になったため色々問題を引き起こしていました。

そういった過去の話も面白く、現在の話も、もうすぐ殺されるのですから、ゾクゾクします。

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そうして、、、ああ、こう来たか!
うすうす感づいてはいたけれど。それにしても、、、。

読み終わってしばらく放心状態。

面白かったです。

それにしても昔の御姫様方、大変な世界に生きていらしたのですね。

アルフォンソ二世はエステ家の存続のためには絶対に世継ぎを得る必要があったので、1年近くたって身ごもりそうにないルクレツィアをお払い箱にして次の結婚をする必要があったらしいです。でも次の妃もまたその次の妃も子をなすことはありませんでした。関係を持ったほかの女性との間にも子供はいなかったそうです。そうしてフェラーラは教皇領に組み込まれてしまったのです。
アルフォンソ二世その人はフェラーラの栄光を高めた、とウイキにはありました。

お薦めです。

 

2023年7月14日 (金)

芦の湖 山のホテル 2日目

月12日(水)

朝4時過ぎに目が覚めました。厚地のほうのカーテンをひき忘れていたからですが、窓の外がうっすら明るいのです。

4時20分過ぎ、起きて窓のそばに行ってみました。昨日シャトルバスの運転手さんに「夏はもやがかかって富士山は見えなません」といわれたそうですが、でもあれは富士山ではありませんか。
4:27

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明るくなるにしたがって はっきりしてきました。4:38

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我が家はリビングの窓から富士山が見えます。ですから珍しくもないのですが、近くで見ると雰囲気が違います。

少し拡大 新しい私のスマホは15倍まで拡大できます。4:45

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4:41の庭園風景 誰もいません。

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早朝の冷気の中、うっとりと景色を眺めました。
海外旅行のあとは次々お寺を駆け巡る旅行、それはそれで実り多いものでしたが、あちこち歩きまわらず、宿でゆったりと時を過ごすのがふさわしい年齢になりました。

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窓を開けていると風がつめたくて体が冷えきってしまいました。
このホテルで私が唯一気になったのは湿気が多い、ということです。(だからと言ってカビなどはえているわけではありません。とても清潔でした)湖と霧、というか靄で、当然だとはおもうのですが。だから窓の開けっぱなしはノーです。(開けっ放しにはしませんでした)
主人は全く感じないというのですが、お部屋に置きっぱなしのブラウスがなんとなく湿っぽい(汗はかていません、かいていても普通は乾きます)バスルームは換気扇がまわって乾燥しているのでしばらくそこに置いておくとカラッとしました。冷房を入れると乾燥もするので大丈夫なのですが、寒いと切ると湿度が高くなるような気がしました。ホテルのほかの部分(廊下、レストランなど)は大丈夫でした。次来るとしたら暖房を入れる時期にしよう、と心に決めました。

写真を撮ったりしているうちに6時近くになりましたので、本格的に起きました。 
朝食は 7:30からです。

7:00から 朝食前に庭園を散歩することにしました。

1911年、三菱4代目社長岩崎小彌太男爵がこの地に別邸を建て、つつじとシャクナゲの庭園をつくったのがはじまりです。

③のテラスのところから出ました。

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つつじの季節だとこのような景色のようです。(ホテルのホームページから)

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丸く刈られたつつじ一株一株の大きいこと。84品種、約3000株植えられているそうです。

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7:30近くになりましたので、ホテルに戻りました。朝食後、主人はまた散歩しました。その時の写真も併せて載せます。アジサイや薔薇園を私は見ていません。

薔薇園 今は終わっています。

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朝食
お部屋は昨日と同じです。和食の方は別のお部屋のようです。

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テーブルが違ったので 卓上飾りも違っていました。ほしいなあ、これ。

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卵料理は選べますが、フレンチトーストにしました。

白い飲み物はたしかコーンスムージー、おいしかったです。

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フレンチトーストが食パン一切れの大きさのまま出てきたのには驚きました。我が家では半分に切って作ります。そうして 私は半分だけでおなかがいっぱいになります。

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このフレンチトースト、甘め(お砂糖ではなくはちみつの甘さのように感じましたが、どうでしょう)。そうして中が半熟のような感じ、だからといって、生っぽいというのではありません。美味しい!。
フレンチトーストはよく作ります。6枚切り一切れ半で卵2個です。2枚分で卵3個で作れば、半熟っぽくできるか、そうしてお砂糖でなくはちみつを入れて、今度ためしてみるつもりです。

美味しいのに、矢張り半分しかいただけませんでした。ベーコン,ソーセージも一口づつ。 

8時過ぎに終わって私はお部屋へ、主人はそのまま、散歩。 

昨日読み終わった本の余韻を楽しみたくてしばらくぼんやりしていましたが、矢張りもう一冊の本を読み始めてしまいました。時々窓の外を眺めながら。

今日はいいお天気です。(9:15)

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戻ってきた主人も本を読んだりしていましたが、「もう10時半だよ」
あらあら、成川美術館にいくつもりだったのに。もう時間がありません。それで売店を見に行き先にチェックアウトもしておくことにしました。(12:00までいられます)

ホテルのカレーとか、寄木細工の箸置きなどを買って部屋に戻り荷物を詰めて11:40発のシャトルバスに乗りました。

5分くらいで元箱根港に着きました。目の前が成川美術館です。ホテルで入場券も頂いてあります。何時に帰らなければ、という制約はないのでこのまま美術館に行ってもいいとおもっていましたが、でも日本画のせいか主人は乗り気でなさそうです。私も歩くのは疲れるし、、、。ま、どうしても、というわけではないのでまたの機会ということにしました。

それより、パン屋さん。ここには Bakery & Table という有名パン屋さんがあるのです。バス停とは広場を隔ててお隣です。

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迷って、結局買ったのは全粒粉の食パンとアップル胡桃シナモンのパンニーニという菓子パンだけです。ここでは足湯につかりながら買ったパンと飲み物がいただけるようなところやカフェもありますが、そのまま持って帰って家で頂きました。(とてもおいしかった)

バスは12:18発が22分に来ました。小涌園などを廻っていくルートです。調べたところバス停の数がものすごく多いのでやれやれ、と思いながら乗ったのですが、電車ではないので乗降客がいないと通過します。さほど多くは停まりませんでした。

それでも小田原まで50分の予定が1時間かかりました。途中、立っている乗客もいました。シーズン中は混みそうです。 

先達kikuko様のかなり前のブログに小田原の干物屋さんのことが書かれていました。山安さんというお店です。おさかな好きの主人は張り切っています。

私はお店を探すのだけで疲れてしまってしばらく椅子に座り込み、主人はあれこれ頂きたいらしく、りっぱすぎて我が家のグリルには入らない大きなものまで持ってっているので、それはやめてもらいましたが、結構買い込みました。私は生シラスと、イカの塩辛を買いました。

帰りはすぐ湘南新宿ラインの特別快速に乗れました。始発なのでガラガラ。15時前には家に帰っていました。

旅行ではなく、たんに泊りがけでお食事に行った2日間でした。

芦ノ湖  山のホテル

体調は相変わらずよくなくて家の中で鬱々と過ごしております。
そこで気分転換にどこかのリゾートホテルに泊まりに行こうと考えました。景色のいいところに泊まって本を読もう、という考えです。
主人はベランダで育てているブルーベリーの収穫期で家を空けたがりません。一泊だけなら、と近くの芦ノ湖に決めました。

芦ノ湖畔のクラシックホテルである「山のホテル」には短歌の先輩御夫妻が毎年のようにいらしていて、寄木細工の小物をお土産に頂いたこともあり、いつかは、と思っていました。

調べてみると芦ノ湖は高度723m、横浜より5,6度は気温が低そうです。避暑にうってつけ、それにこのホテルはつつじが有名でお花の無い今は直近の予約でも泊まれそうな感じです。天気予報をにらみながら1週間ほど前に予約しました。

近くの観光箇所としては箱根神社と成川美術館くらいですが、行ってよし、行かなくてお部屋でゆっくりしていてもよしで、具体的なプランはありません。駒ヶ岳のロープウェイは休止中です。

近くなので正味2時間ちょっとで行けるはずで、座席予約の必要もなく、支度ができたときに家を出ればよい、という気楽さがあります。
支度、といっても一泊なので殆ど荷物はないはずですが、夕食のために着替えとパンプスは持っていく必要があるのでやはりキャリーを引いていくことにしました。
本は読みかけと、新しいものの二冊を入れました。 

7月11日(火)

11:20家を出てバスでもよりのJR駅へ、ところが電車が途中の平塚どまりで、なかなか熱海行きが来なくて小田原に着いたのが12:47頃。もたもたしていてまた暑くてどうかなりそうだったので、バスに乗る気になれず結局13:05頃タクシーに乗りました。バスだと小涌園経由ですが、タクシーは箱根新道を行くので早いのです。小田原城を観ながら進むとすぐ緑の中を走って少しずつ高度も上がって気持ちが良かったです。30分くらい走ったところで左手木立の間から湖が見えるようになるとホテルです。(参考のために 料金は8160円でした)

13:40頃山のホテルに到着。とりあえず荷物だけ預けようとフロントに行くとチェックインできてすぐお部屋に入れました。

カーテンをを開けた途端「おお」

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一番下右にほんの少し見えているのがベッドです。

窓の真正面。
小田原ではカンカン照りで倒れそうに暑かったのですが、窓を開けるとひんやり冷たい風が入ってきました。山々はガスって上の方はよく見えません。

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右手 ホテルのロゴマークはあの木でしょうか。

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左手、テラスのところが洋食レストランです。沖合、海賊船が航行中。昔こどもたちが小学生の頃来て乗ったことがあります。箱根に来るのははその時以来初めてです。

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 お昼がまだです。 1階のラウンジにおりました。

普通のサンドイッチをいただきました。私が小食なので、一人分のセットに紅茶を追加。(詳しく言いますと6切れ中私は2切れ)

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ハム・チーズサンドと野菜(トマトきゅうりレタスのマヨネーズ和え)サンド。まったく普通のサンドイッチで普通においしくいただきました。これがいいのです。変にやっとこの特大みたいなのにはさんで焼き目なんぞつけたりしないのが。
さっさと食べた主人はそわそわ、行動的な人なのです。箱根神社に行くといいます。私はお部屋でくつろぎたいのでひとりで出かけてもらいました(14:35)。
私は残ったチップスなぞつまんで10分くらい後にお部屋に戻りました。 

ひとしきり窓の外を眺めて。

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鳥の鳴き声、それにカナカナも鳴いています。時々ドーンという音がします。遠雷かとおもったのですが、御殿場演習場の訓練かもしれません。

1時間ほど持ってきた本に没頭。16時少し前に電話でこれから帰る、といってきたと思ったらまたすぐ電話で、関所がここから1キロだからそこへ寄ってから帰る、と言ってきました。

私は読書を続けます。いよいよクライマックスですから、やめられません。怖いから読みたくない、でも知りたい、、、読んでしまうのがもったいなくて時々窓の外を見に行きました。読んだ本については項を改めます。

元箱根港からホテルへは20分間隔で無料シャトルバスが出ています。結局17:10発のシャトルバスで帰ってきました。

主人が撮ってきた写真から

箱根神社
水中に立つ鳥居。あそこで写真を撮ろうと湖岸に沿って人が大勢ならんでいたそうです。

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竜神水・成就

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箱根関所

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上の方の 遠見番所から

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夕食は18:30に予約してあります。それで主人は先に温泉に入りに行きました。とても気持ちのいいお湯だったそうです。

満席というわけではありませんがかなり入っていました。カップルがほとんどですが、おひとり様(全員女性)も4人くらい(私のテーブルから見えた範囲で)いらっしゃいました。お一人だけTシャツの方がいらっしゃいましたが、皆さん幾分ドレッシーなものをお召しで、着替えを持ってきてよかった、と思いました。

コースはいろいろあるのですが、予約していたのは
グレードアップ 量より質重視の「大人の上質ステイプラン」です。

ワインは ピノ・ノワールにしました。美味しくて飲みやすいワインでした。

見せ皿、ゴージャスで素敵です。

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*セルヴェル・ド・カーニュにトマトのエキュームとパプリカのフィナンシェ・サレ 爽やかなアオリ烏賊のタルタル

コップの上の方の白い泡がトマトのエキューム センルヴェル・ド・カーニュは下の方生クリーム、チーズをあわせたもの 烏賊のタルタルもおいしかったです。

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*フォワグラのムースと玉蜀黍のシガレット仕立て ホワイトアスパラガス 鮎のパテ
下の緑はジェノヴェーゼソース ともかく美味しい

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スパイス香る鱧をスープ・ド・ポワソンに浮かべて クルトンが縁にのっていました。スープ・ド・ポワソンはとてもいいお味だとは思いました。昔フランスでいただいたのを思い出しました。たしか海老の殻を砕いてお味をだしたものだと聞いたような、、、。でも実は私はさほど好みではないのです。

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和牛フィレ肉の炭火焼き 赤ワインソース
ソースは横のカップに入っていました。

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とても美味しいお肉でした。かすかに炭火の香もしました。23071318
でも残念ながらもう入りません。二切れほどであとは主人に。

*スイーツ

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紅茶

ここのお料理、特筆すべき美味しさでした!また来たい。

ガラスのテーブル飾りが素敵でした。ずしりと重かったです。

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20時ごろお部屋に戻りました。1時間ほど読書、読み終わりました。ああ、こうきたか。(独り言)

21時過ぎ温泉に行きました。女性用はお部屋とおなじ3階にあります。内湯、露天風呂にそれぞれ一人先客、といった程度です。気持ちの良いお湯でした。露店風呂にも入りました。

22時過ぎ やすみました。

2023年7月10日 (月)

『堤未果のショック・ドクトリン』

日曜日の新聞、読書欄の「著者に会いたい」に出ていた本を早速買いました。衝撃的で一気に読ませられてしまいました。

堤未果のショック・ドクトリン』幻冬舎新書 です。

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2001年9月11日、ニューヨークのツインタワー航空機激突事件が起きたとき、著者はそのお隣のビルの20階にいたそうです。階段を駆け下りて大混乱の市中を抜けてなんとか家に帰ることはできたそうですが、恐ろしいのはその時よりもそのあとだと書いています。恐怖と怒りでパニックになった人々は銃を買いに走り家々には星条旗が掲げられ「星条旗」が流れます。

恐怖が国全体を蔽う中、国会では巨額の軍事予算が満場一致で承認されます。そうしてテロリストからアメリカの治安と国民を守るため、通話記録の収集をはじめ、当局が国内の隅々まで監視するという権限を持つ「愛国者法」がスピード可決されます。
衝撃的な事件で国民がまひしているうちに裏で国民の自由を権利を奪うようなことが粛々と進んでいる、このことをしっかりと見よ、ノーを言えと書いているのがこの本なのです。

9.11 事件を経験した著者はナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』によって当時感じた違和感の正体に気づかされたと書いています。

ナオミ・クラインの本の紹介記事をみてみました。
ナオミ・クラインの今こそ知るべき、「衝撃と恐怖の資本主義」の正体
ジャーナリストのナオミ・クラインは、1970年代のチリの軍事クーデターに始まり、ソ連崩壊、アジア通貨危機、米国同時多発テロ事件とイラク戦争、また台風や津波のような自然災害など、社会を揺るがす大惨事に乗じて導入された過激な市場原理主義改革の事実を、歴史的な視点で丹念に追い、この「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」によって先進諸国が危機状況にある国の富を収奪する構造を明らかにした。新自由主義が世界を席巻し、私たちの暮らす日本も「ショック・ドクトリン」の標的となり得る現在、改めてこの本を読みとき、社会を裏側で動かす構造を見抜く方法や、それに立ち向かうためになすべきことについて考えていく。

この本では日本の実情について 書かれています。
 第一章 マイナンバーという国民監視テク
 第二章 命につけられる値札 コロナ・ショック・ドクトリン
 第三章 脱炭素ユートピアの先にあるディストピア

本書の裏表紙
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マイナンバーカードを健康保険証として使うからと今、大臣は早急にカードを作れとハッパをかけていますが、病
院側は迷惑な話とおもっているようですね。すべてを一元化してしまうとはなくしたとき大変なことになります。だれのための制度かと思います。カード返上したくなりました。

コロナワクチンの話も怒りしかおぼえません。

少々トーンが高いのが気になりましたが、大惨事などでショックをうけてもしっかり目をひらいて見て、おかしい!という感覚をなくさないようにしないといけない、とつくづく感じました。

多くの人に読んでほしい本です。  

2023年7月 9日 (日)

お料理本

10日くらい前、新聞の本の広告で『桃を煮るひと』というタイトルの本を見つけました。桃を煮る、子供の頃はおいしくない桃を煮ることもあったような。
スーパーに行かないせいか一皿盛りの桃というのを最近みたことはありません。生活クラブのカタログの桃は今ではおそろしく高くて買うのもためらうような高級果物です。煮るなんてとんでもない!
ちなみに我が家ではこのところ果物はメロンと林檎です。

どんな本かしら?とアマゾンでチェック。
そうすると、この本もおすすめ、というお料理本『つくりたくなる日々レシピ』とセットで紹介されていました。また、無駄使いかな、と思いつつセットで購入してしまいました。寡聞にして二冊とも著者はこれまで知らなかった方です。
お料理本を買うのは10年ぶりくらい?

まず、きっかけとなった

桃を煮るひと』くどうれいん著 ミシマ社

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食に関するいろいろなエピソードが並んでいます。
一番目、カリカリ梅、実はこれを読み始めて、もうこの本だめだ、と思ってしまいました。カリカリ梅って自分で買ったことはありません。ツアーでまわってきて口にしたことがあるくらいです。自分の好きでない食べ物を他人がぼりぼり噛みくだいた、なんて話ちっとも面白くない。
いくつか拾い読みして、短いエッセイ集だから時折暇なときに読めばいい、ととりあえずおいておきました。

つくりたくなる日々レシピ』長谷川あかり著 扶桑社

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お料理は嫌いではありません。でも作る気になかなかなれないことが多いのですが、それはメニューが思いつかないからです。新しいお料理本は、よし、今晩はこれを作ろう!と腰を上げる気にさせてくれました。

料理研究家というのでしょうか、人によってお料理の傾向がとても違います。味の濃い薄いだけでなく、味付けそのものの違いもあってその結果、この人のお料理はどうも、、、この人のお料理は好き、そうしていつも同じようなものを作ることになるのです。

この方のお料理はどちらかというと和食系?な感じです。昨日作ったラタトゥイユは「ノンオイル梅チキンラタトゥイユ」
オリ-ブオイルなし、そうしてなんと梅干し(甘くないもの)が入るのです。我が家は生活クラブ依存で食材は一週間まとめ買い、普通に必要な野菜類は大体冷蔵庫にあります。鶏のもも肉(鶏肉は冷凍でくる)はきらしていてなくて胸肉(煮込むと硬くなるのが難)に変更した以外、あるもので作れました。梅干しも甘くなかったので使わず冷蔵庫にねむっておりました。
梅干しをつぶすようにして鶏肉と一緒にまず料理酒で煮てそのあとは普通です。ナス・トマト・ズッキーニの角切りをいれて煮込みます。
おそるおそる口にしてみましたが、梅干しの酸味が効いてさっぱりとおいしかったです。

最初につくったのは「クレソンとしらすの炊き込みごはん」でした。
シラス丼ならともかく炊き込みご飯ははじめてです。それにクレソンをとり合わせる、さわやかでおいしいかもしれない。両方とも在庫ありなのです。
お米は我が家では1合半炊きます。シラスは75g使います。みりん、お醤油で味をつけてシラスをいれて電気釜を炊き込みご飯にセットして炊きました。炊きあがったら荒くきざんだクレソンを混ぜるだけです。うーん、これはまあ美味しいけれど、なんだかいまいち、、?
一合半でいつも半分以上残ります。今回も残りを冷凍。翌日レンジでチンしてあらたにクレソンを刻んで混ぜました。
美味しかったのです。一晩ねかせて味が落ち着いたのでしょう。これは定番メニュー入りです。塩味だけ、というのでも作ってみようかと思いました。 

そのほか玉ねぎを大量に使う「焼かないショウガ焼き」もおいしかったです。これからキーマカレーを作る予定。これも料理酒やみりんを使うのです。 

ただ気が付いたのはこの方のお料理ラタトゥイユやカレーなどは別として一回に使う食品の種類が少ないものが多いようで、それに献立はほぼ一汁一菜です。少人数だとこれは助かります。でも昔は一汁三菜、それに一日だったか一回だったか20品目は摂りましょう、ということが言われていて、使った材料の種類が少ないと今でも罪悪感を持つのですが、この方は 何日間かに摂ればいいというお考えのようです。もちろんそうですが。
今の若い人はお仕事もされていて、それほど多くはお作りにならないのでしょうか?

主婦業五十数年、今更お料理の本という気もします。今回はなんとなくポチって手に入れた料理本ですが、メニューに苦労した時思い切って料理本を買ってみる、というのも手だなと思いました。

 

2023年7月 8日 (土)

映画「告白、あるいは完璧な弁護」

体調は相変わらずで、動くとすぐ疲れて気分が悪くなってしまいます。
娘は東京出張が週末のため先週土曜日は里帰り、一泊しました。その時「そういうのって、コロナ後遺症の症状みたい」なんてことを言うのですが、新型コロナにかかった覚えはありません。

映画が観に行きたくて、毎日様子をみていましたが、今日(7日)はなんとか大丈夫そうで出かけることにしました。数か月すればアマゾンプライムのstoreで観られるはずですが、矢張り映画は映画館で観た方が楽しいですから。
懸念の短歌十首も、もうこれ以上いじくりまわしてもどうにもならないと、意を決して提出したので、気分的にはラクです。 

徒歩数分のバス停についたころにはもう既にくたびれて引き返そうかと思いましたが、家に帰るには坂道をあがらなければなりません。バスに乗ってしまった方がラク、とバスに乗ってしまいました。今日も桜木町のキノシネマです。横浜経由にしました。でも横浜乗り換えで駅構内を歩き、みなとみらい駅構内で歩き、で映画館に着いたときはもう疲労困憊。

映画は韓国映画「告白、あるいは完璧な弁護」です。新聞の評にでていて面白そうだったのです。
サスペンスものです。映画『告白、あるいは完璧な弁護』公式サイト - シンカ (synca.jp)

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上記ホームページより

T企業社長ユ・ミンホの不倫相手キム・セヒが密室のホテルで殺された。事件の第一容疑者となったミンホは潔白を主張し、100%無罪を勝ち取る敏腕弁護士ヤン・シネを雇い事件の真相を探り出す  ―  。そこで以前に起きた1つの交通事故がセヒの殺人に関係しているかもしれないと告白し、事件の再検証がはじまるが…。
錯綜する2つの事件と証言。その真実は誰のためのものなのか。欲望に隠された〈衝撃の事実〉に辿り着いたとき、切ない“痛み”があなたを襲う。

殺人容疑をはらすために、ユ・ミンホは山荘に弁護士ヤン・シネを呼びます。

「嘘をつかなければ、あなたを無罪にできます」詳しく話してください、あったこと一切を話すことをユ・ミンホに求めます。
執拗に細かく問いただします。

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以前に起きた車の接触事故で相手の車を運転していた男が亡くなったことを話します。警察を呼ぼうとするのですが、不倫がばれてしまいます。一つ嘘をつくとそれを正当化するために、、、、。
不倫相手のキム・セヒは非常に美人(まだ少女といった感じ)、それがずるがしこい子で 隠蔽作を講じます。 

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サスペンスものですから、もう書けません。二転・三転。えっ、そんなのあり? 
観ている方は翻弄されっぱなし。
気の毒なのは対向車を運転していた男。
2時間弱、という長さもちょうどよく、ああ、やっぱりね、で終わり。

公開されて2週間くらいたっているのに入りがよくないのか、先着何名様かへのプレゼントとして主演男優のブロマイドが 渡されました。せっかくですから載せます。ファンならありがたがる写真ですよね。

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帰りは歩く気力がなかったのでちょうど来たタクシーをひろって桜木町までいきそこからバス。

手が混んでんでいて面白かったのですが、体調不良をおしてまで映画館で観なければならなかったのかどうかは疑問。
これは個人的意見で、よくできた映画なので、この手の映画が好みの方は絶対、映画館だと思います。

2023年7月 3日 (月)

『警視の慟哭』

久しぶりのデボラ・クロンビーの小説を妹が回してくれました。

ダンカン・キンケイド警視とジェマ・ジェイムズ警部という二人の警察官が活躍する警察小説です。現在では二人は結婚しています。

このシリーズ、最初の内はずっと読んでいましたが、最近は読んでいません。本作は前作を引き継いでいるようでしたが、読んでいなくてもついていけなくはありませんでした。

警視の慟哭』 デボイ・クロンビー 講談社文庫

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ダンカン・キンケイドは理由の分からないままホルボン署に転勤させられ、上司のデニス・チャイルズ警視正は長期休暇をとっています。

数か月後のある日、デニスが復帰したことを知り、会いにいきますが会えません。が差出人不明のメッセージを受け取り行ってみると、デニスがいました。そこで 警察内部に悪い警官がいてそれからダンカンを守るために転勤させたことを知らされます。その帰り道、デニスは頭を殴られ瀕死の重傷を負います。

一方ジェマはバレエを習っている息子のトビーをバレエスクールに送っていきます。そこでジェシーというバレエの上手な男の子と言葉を交わします。
ジェシーが住んでいるのは高級住宅地で建物が共有の庭を囲むように建てられている住宅です。外から庭には一つ鍵のある門があるだけで、通常は住民が自分の家からしか行けないようになっています。
その庭で若い女性が亡くなっているのが発見されました。

ジェシーのベビー・シッターでモデルです。ジェマはモデル会社を経営している女性と親しいことから事件にかかわりをもつようになり、捜査を担当することになります。

ダンカンは自身の身の危険を心配しながら警察内部の不正について調べ始めます。事柄が事柄だけにジェマに話せないので、ジェマの機嫌が悪くなり、 、、、。またダンカンの父親の容態のことなど家庭の事情も間に挟みながら、夫婦それぞれ別々の事件の解明に向かって話が進められる、といった内容。

時々人の名前がごちゃごちゃになって筋がつかみにくくなることもありましたが、面白くて一気読み。

それにしても、ジェマはなぜ、ダンカンが自分に話さず事件を追うことに対して腹を立てるのか、私には理解できません。相手のことをすべて把握したいのはわかりますが、何だかうっとうしい。まあ、警官同士解決のヒントを与えあうことはできるかもしれませんけれど。   

 

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