『風に立つ』 柚木裕子著
新聞の評が良かったので買ってみました。
『風に立つ』 柚木裕子著 中央公論者
問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度ーー補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!
南部鉄器の工房「静嘉」は親方孝雄とその息子悟(38歳)それに還暦近い林健司が働いています。時にアルバイトを入れることもあります。悟から見ると、親の孝雄は偏屈でおよそかわいがってもらえたという記憶はありません。
それが預かった春人に対しては別人としか思えないやさしさです。
前科者を家に入れるなんて、と悟は反対ですが、頑固者の父親には抗えません。
ひょうきんなところのある健司が間を取り持ち結婚して家を出た妹も時々顔をみせて空気を和らげます。
岩手の伝統行事も取り入れて描く春人の変化、それに悟の変化、そうして父の理解へ、、、。
ハートゥオーミングノベルといえばいいのでしょうか。
私はちょっと甘い、現実はこうではないのではないか?という気がしました。
読み終わってマンションの中庭を散歩しました。
ベニバナとちの木です。
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