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2024年8月

2024年8月31日 (土)

『金庫破りとスパイの鍵』 アシュリー・ウィーヴァー著

病室での徒然に読んだのは

金庫破りとスパイの鍵』 アシュリー・ウィーヴァー著 創元推理文庫

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以前読んだ『金庫破りときどきスパイ』の続編です。
本文の案内から
第二次大戦下のロンドン。テムズ川で、鍵のかかったカメオ付きのブレスレットをつけた女性の遺体が発見された。金庫破りのエリーは軍情報部のラムゼイ少佐の依頼でそのカギを開錠する。カメオからみつかったものと女性が毒殺されていたことから、彼女はスパイ活動にかかわっていたと判明。エリ-は少佐に協力し、殺人事件の謎と、死んだ女性の背後にいると思しきドイツのスパイを探りだすことに。手がかりは、女性が隠し持っていた宝石と、小さな時計の巻き鍵だけーー。

エリー・マクドネルは両親が亡くなっていて伯父のミックと暮らしています。ミックは錠前師で、仕事についていって見ていたエリ-も錠の仕組みを熟知しています。錠を開けることが出来るのですから泥棒もできるわけではあります。その開錠の腕を見込んで少佐に手伝いを頼まれることになったのです。一分のすきもない素敵な少佐にマクドネル家の家政婦ネイシーはエリ-とむすばれることを願っています。でもエリ-にはフェリックスという恋人がいるのです。

少佐とエリー、エリ-とフェリックスの関係の方が謎ときよりも気になったりする楽しいお話でした。

救急車

10年ぶりくらいにまた救急車のお世話になってしまいました。
ここのところ3週間ピッチくらいに起きる発作、といっておきましょうか、脈拍数が増え、胸痛と顎関節痛の併発が27日火曜日12:30頃起きました。普段は15分ほどでひどい状態は収まり3時間ほどですっきりするのですが、1時間たっても痛みは引きません。

みかねて主人が救急車を呼んでしまいました。私は近所の方にみられるのがはずかしくていやでしたが幸い?乗り込むまで誰にも見られなかったような。乗る、といっても歩ける状態ではなく袋のような布椅子に乗せられて(タンカではelevatorが難しい)下におりてタンカに移され救急車へ。
救急車には10年くらい前に盲腸のときもお世話になりましたが、その当時はただタンカごと車に乗って運ばれるだけでした。今の救急車はプラスチックの筒の中みたいで真っ白できれいです。酸素吸入器があるだけでなく心電図もとれるようになっています。ペタペタ何やらはられて器具を取り付けて心電図を撮っていました。記録紙に波形だけでなく読み取り内容が文章で記載されるらしくてそれを救急隊員が読み上げていました。脈拍数は140いくつかだったようです。問題はほかの心臓状態だったようですが。そうしてかかりつけの大学病院を言うと、そこと連絡を取り状況説明をして受け入れられることを確認、15分で着きますから(通常は車でも25分以上かかります)。そうしてサイレンを鳴らしながら行きました。(マンションを遠く離れるまでならしてほしくはなかったですけれど)もちろん主人が一緒で説明などは全て主人です。名前だけは本人に言わされました。
 
そうして病院に着いてまた何やら検査をしナントカの値がどうとかなら入院。、、、そうしてやはり入院になりました。
以前の突然の入院の経験から入院バッグは用意してありましたので行くときにはとりあえずそれは持っていきました。
今はパジャマ・タオルはレンタルですから下着の替え、スリッパ、ティッシュペーパーボックス、歯ブラシ、コップ程度です。(コップはいつだったか出したらしくなかったですがノープロブレムでした) このバッグは災害時にも役にたつはずです。

しばらく点滴をされながら過ごしてCCUのお部屋に移動。
もちろん個室で、広々として明るく気持ちの良いお部屋です。状態は最悪で苦しかったですけれど入院出来てよかったです。
点滴をうけながら何度も採血、レントゲン。catheter検査は痛いから嫌だといったので(わがままをいってみただけで絶対拒否、というつもりではなかったのですが、無理強いはしないこといなっているようです)CTを撮りました。

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CCUのお部屋は他に必要な人がいると押し出しになるようで、木曜日には一般病室に移されました。ここでもわがままを言って個室を要求しました。幸い一室だけ空きがあり、これもより必要がある人が出れば四人部屋に移ることになります、とは言われました。個室ではあってもナースステーションがすぐ前で他のお部屋の声も聞こえてCCUのお部屋とは全然違います。

ただ木曜日になると状態はとてもよくなって痛みもほぼなくなりました。ちょうどアマ〇ンに注文していた軽くて楽しいミステリーが届いていたのでそれを持ってきてもらって一日それを読んで過ごしました。

こうして金曜日にはもう退院。病名は冠攣縮性狭心症だとのことです。これだけでは死に至る病ではなさそうです。
ただベッド生活の影響もあるとは思いますが、歩くこと自体が大変で心臓の状態もよくなく家の中でも歩くとすぐ息切れがして10歩も歩くとすぐ座りたくなります。テレビを見たり、これを書いたりするのは問題なしです。

次の診察で多分拒否していたカテーテル・アブレーションを受けさせられることになるでしょう。そうすればかなり行動範囲は広がるはずではありますが、痛いのは嫌。でももう少し旅行もしたいですからここは我慢ですね。9月末の旅行予定がどうなるか?ま、期待しないことにしています。

2024年8月26日 (月)

ベイビューでお食事のため久しぶりの外出

娘が来て二泊、昨日お昼ごろ帰るというので、一緒に外でランチということにしました。最近行くようになった横浜駅前ベイシェラトンホテルのフレンチレストラン「ベイ・ビュー」です。
この前息子夫婦と行ったので娘も連れて行ってやらなければと思ったからです。

私は朝は体調が特に悪くて、室内移動でもすぐ息が上がって、特に歩きながら話す、ということもできないほどです。
でも頑張ろうと、朝予約を入れて11時過ぎに家を出ました。GOタクシーをよんで駅まで。エスカレーター、エレベーター利用でホームへ。ここまではナントカ。横浜駅についてベイシェシェラトンホテルまでの数百メートルの移動がつらかったのです。
この前まで何ともなかったのに、急激に体力が落ちています。ゆっくり歩き、最後はたちどまって一息つきながらエレベーターまでたどり着きました。レストランにはいってもお行儀が悪いと思いながらも椅子の背にぐったり体を預けてしまいます。

ベイ・ビューだけあって港が見えます。といってもクレーンや何かが多くてとくにきれいとはいえないのですが娘は初めてなので景色にも満足しているようです。ホテル・ニューグランドからの眺めの方がずっといいです。でも窓にむかって横長ですからお部屋全体がとても明るくて気持ちがいいです。客層はニューグランドより若い感じです。

さて飲み物はお昼なので軽めに、とシャルドネを注文。

シェフからの一品 縞鯵のエスカベッシュ
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オードブル 
アオリイカのマリネと焼き茄子のピューレ 生姜のコンディモン 
  赤パプリカとホワイトバルサミコソース
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コンディマンとは薬味のような意味らしいのですが、これは生姜に蜂蜜と何かがはいっているそうで、生姜のとがったところが無くなって、でもさっぱりしてとても美味。

スープ
北海道産キタアカリのヴィシソワーズ エストラゴン風味のコンソメジュレ 
 クリスピーベーコンを添えて
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最初はそのまま、途中からこのカリカリベーコンをくだいて入れるよう言われました。
ヴィシソワーズは大好き。底に入っているコンソメジュレが少々硬く固まりすぎでした。

お魚料理
カサゴポワレと冬瓜のプレゼ ムール貝のマリニエールソース
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小食なので分量少な目、とお願いしましたがこの分量。申し訳ないけれど大半残してしまいました。

お肉料理
フランス産マグレカナールのロースト
ジュニパーベリー風味のポルト酒ソース
ポレンタのガレットと季節の野菜を添えて
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おいしかったのですが私は一切れがやっとでした。他の二人は牛肉です。

ジュニパーベリー、ジュニパー、って杜松です。サーレマー島と本土とのあいだ、ムフ島でジュニパーの茂みを見ることができたことを懐かしく思い出しました。実をつけるようですが、その時は実はつけていませんでした。杜松には抗菌作用があるそうです。現在もそこで買ったバターナイフを毎日使っています。

パンは残りをお持ち帰りくださいと袋が用意されていました。

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デザート
クレームブリュレ ストローベリーマスカルポーネアイスとフルーツ添え
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クレームビュルレがこういう平たいお皿で供されたのは初めて。こんがり部分が多いです。甘くておいしい。

コーヒー紅茶 

私は三分の一もいただけませんでしたが、どれもおいしくて満足。ソースに工夫があると思いました。
さほど分量大は多くないので娘は完食。ワインもしっかり二杯飲んでご機嫌で帰っていきました。
 

帰り、午後になると体調が少しよくなって、すいすい歩けます。このまま高島屋へとも思いましたが、やはりまっすぐ家に帰りました。

2024年8月21日 (水)

ワニ町シリーズ ④~⑦一気読み

巷ではコメ騒動が起きているようですね。近くのスーパーで棚をみた主人が驚いて最後の一袋!といつもの「青天の霹靂」を買ってきました。1500いくらか。かなりの値上がりです。我が家では生活クラブで「つや姫」を買っていますが、大量につくっているわけでないのか、早くになくなります。そうなるとスーパーで青天の霹靂を買います。ちなみに生活クラブをみると他の種類のお米はちゃんとあって値上がりはしていません。計画生産しているのだと思います。
私はお米大好き人間ですから心配になり、パックライスと生活クラブで別の種類のものを2キロ買いました。もうすぐ新米がでるのでパニック買いすることはないのですが。

***

ひたすら楽しいワニ町シリーズ4冊一気読みしました。

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仕事中のとあることで首に懸賞金が掛けられるようになったフォーチュンは南部の人口300人くらいの町に、名前・職業を偽って潜伏することになっています。 
この町はルイジアナ州にあります。 
調べてみるとルイジアナ州というのはメキシコ湾に面した湿地の多い地域。夏の間は高温・多湿。ちょうど今の横浜辺りと同じ状態らしいです。 
シンフルという、なんと罪深いという名前の町。町をバイユーと呼ばれる川が流れています。バイユーは一般名詞のようでこのあたりを流れているいくつもの(ミシシッピー川の河口域)小さな川のことです。 
従って移動は道路を行くだけでなくバイユーをボートで行くこともできます。(草の茂みもあるので隠れるのにもよさそうです)
ここでフォーチュンは亡くなった大叔母の遺品整理という名目で夏の間滞在することになります。そこで出会ったのが大叔母の友達アイダ・ベルとガーティ。実は大叔母とこの二人はベトナム戦士だったのです。大叔母の家には隠し扉の奥にものすごい武器庫までありました。
現在二人は70代ですが衰えたりといえどもまだまだ射撃の腕などは健在。それより事件と聞くとスワと動き出したくなる人達です。しかし走れば転ぶ、木から落ちるなど体が言うことを聞かないので珍騒動が繰り広げられるというわけです。
町を守るのは保安官ですが、あまりにも高齢なので、保安官助手のカーターが町の治安を守るべき奔走しています。このカーターがいわゆるイケメンとやらで、町の女性たちの憧れの的。
一方フォーチュンは自分でも気が付いていないのですが素晴らしい美人のようです。
CIA秘密工作員として、人間性を殺してこれまでの人生をやって来ています。父親もそうでしたし母親は失くしていますから人間的感情を育てる暇はなかったというわけのようです。

ところがこのおばあちゃまたちと行動を共にするようになって、友情というものを感じるようになり、カーターに対しても恋心を抱く様になってしまいます。こんなことで、もとの秘密工作員に戻れるか?

以下内容紹介は 表紙裏から借用。

ハートに火をつけないで』 
保安官助手カーターとのデートを前に、居心地の悪い時間をすごすCIA秘密工作員フォーチュン。そこに友人のカフェ店員アリーの家が火事だと連絡が入る。原因は放火だった。誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ?大事な友人を守るため、フォーチュンはカーターの警告を無視して、町を知り尽くしたアイダ・ベル、ガーティとともに犯人を追う。

どこまでも食いついて
保安官助手カーターとの初デートを成功させたフォーチュンのもとに、アイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが町長選挙に立候補したとの報が入る。三人が当選阻止に動こうとした矢先、なんとカーターが何者かに狙撃されてしまう。命は助かったものの、彼は病院行きに、、、、。お目付け役のいないフォーチュンたちが、犯人をさがして町を史上最大の混乱に陥れる

幸運には逆らうな
独立記念日を迎えたシンフルの町。だが新町長が宿敵シーリアとあっては、フォーチュンたち三人は祝賀ムード
ではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷し怒りに燃えるアイダ・バルとガーティと共に、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら!

嵐にも負けず
新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。永年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現れ、不穏さは増すばかり。そんななかハリケーンが襲来。なんとかやり過ごしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残して行った。今度は偽札に殺人?!型破りな老婦人ふたりの助けを借りてフォーチュンは町と自分の窮地を救えるか?

アメリカではこのシリーズ21冊目まで出ているそうです。早く次も翻訳してほしいものです。

2024年8月14日 (水)

『生きるか死ぬかの町長選挙』 ジャナ・デリオン著

ワニの町シンフルに来たCIA秘密工作員フォーチュンシリーズの3作目を読みました。
フォーチュンは秘密工作員として暴れすぎたので身を潜める必要がおき、名前や身分を偽って、この町にやって来ています。
人間的な要素を持たない仕事をしていたのに、ここにきて色々な感情を持つようになったことに戸惑っています。知りあいになったふたりのおばあちゃまに友情を感じ、他にもお仲間が出来てきました。

生きるか死ぬかの町長選挙』 ジャナ・デナリン著 創元推理文庫

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そのおばあちゃま友達の一人、アイダ・ベルが町長に立候補することにしました。
ところが対立候補との公開討論会が終わった後、その対立候補のテッドが殺されてしまいます。
、、アイダ・ベルが逮捕されます。 
嫌疑を晴らすには真犯人を見つけなければ、、、。
そうして始まる珍騒動。
おかしなことがあると、いち早く駆け付ける保安官助手のカーター。
ハンサムなカーターにいつのまにか惹かれているフォーチュン。

騒動は笑えるし、ロマンス要素があるというのもいいし、楽しい読み物でした。

2024年8月12日 (月)

『宿敵の剣』 小杉健司著

フォーチュンのワニにの町シリーズを買ったとき、ついでにひょいと一冊買ってしまった本です。 時代物もいいかと思って。

それで、ワニ・シリーズは中休みとしてこちらを読んでみました。

『宿敵の剣』はぐれ剣士・松永九郎兵衛 小杉健司著 幻冬社 時代小説文庫

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何故これにしたのか、理由は思い出せません。ともかく読みました。

裏表紙の内容紹介より
浪人の九郎兵衛の妹・お紺が一万八千石の葛尾藩主の側室となり、懐妊。その陰で、藩では目付と剣術指南役が壮絶な権力争いを繰り広げ、死人も出ていた。お紺を盾にし目付にやむなく従う九郎兵衛。指南の配下には九郎兵衛がかつて剣術の勝負で敗れた狡猾な男がおり、再び相まみえるが、、、、。一匹狼の剣豪が江戸の闇を暴く傑作時代ミステリー。

シリーズものなので、この本より以前の段階で浪人になっているらしいのですが、途中から読む者には事の次第は分かりません。
ともかく浪人ですが、剣の腕前はものすごいらしいです。その腕を買われてある人物の護衛を頼まれます。断れば妹がどうなるか、、ということでやむなくく引き受けるのす。

どこかに仕官しているわけではないのですが九郎兵衛は武士としての筋は通す人です。護衛をしながらもどうやら謀られているらしいことを感じます。案の定、道中でおそわれるのですが、どうもおかしいのです。お家乗っ取りの様相もあり、、、。

私は時代小説をあまり知りません。最近何冊か読んだのは砂原浩太朗作品です。
それらに比べると、人物に膨らみがないような気がしました。剣術一本やりという感じなのです。
というわけで好みではなかったです。
  

2024年8月11日 (日)

『ミスコン女王が殺された』 ジャナ・デリオン著

昨晩の地震には驚かされました。スマホが突然何とも言えない音を出したと思ったら、ぐらっと大きく来ましたから。
宮崎で起こっても、現地では大変だろうな、くらいだったのが、足元ですからもうびっくり。
改めてペットボトルの本数確認やらパックライスの個数確認(回転備蓄としているので時々使っている)などしました。
横浜は震度4くらいだったでしょうか。我が家では棚から物が落ちる、というようなこともありませんでした。

あい変わらずお気楽読書です。

ミスコン女王が殺された』 ジャナ・デリオン著 創元推理文庫
ワニの町シリーズ2冊目です。

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CIA秘密工作員フォーチュンはある事情から一時身分を偽って潜伏する必要があり、ルイジナの人口300人くらいの町シンフルにやってきました。 
そこで騒動が終わった(前回の)翌日またもや事件にに巻き込まれます。
町のイベントとして子どもミスコンが開かれる、その準備にフォーチュンもお仲間の二人のおばあちゃまと参加。ところがその後、そこで元ミスコン女王ということになっているパンジーという町一番の身持ちの悪い女の子が殺されたのです。その集まりの時パンジーはフォーチュンと口論していた、ということからフォーチュンが犯人とされてしまいます。よそ者ですから、町の人たちも皆、そう信じているようです。
こうなったら犯人を見つける以外ありません。前作同様若くてハンサムな保安官補カーターも登場。捧腹絶倒ものの調査が始まります。

 楽しかったです。

2024年8月 6日 (火)

『ワニの町へ来たスパイ』ジャナ・デリオン著

今日は広島原爆の日。政治に殆ど目を向けない人間ですが、このような世界情勢においてはやはり今日という日の意味を改めて考えたくなります。アメリカの大統領選挙の行方も気になります。

心は重くまたこの暑さ、結局お手軽読書に逃げ込んでおります。

先に読んだのが『救出』スティーヴン・コンコリー著 扶桑社 
元海兵隊員ライアン・ステッカーあることから ロシアン・マフィアに懸賞金をかけられて逃げ回るのですが、どうやらそれ以外からも命を狙われているらしい。人身売買の組織からです。人身売買撲滅にかかわる人からの支援を受けながら、逃げるだけでなく彼らに鉄槌を下そうとするハードな戦い。
ハード過ぎて読むだけなのに疲れてしまいました。 

もうこの手はだめ、お気楽なものでなければ

ワニの町に来たスパイ』ジャナ・デリオアン著 創元推理文庫

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『救出』のライアン・デッカーのように、狙われる身となったCIA秘密工作員レディング・フォーチュンは一時潜伏することになり、ルイジアナの田舎町にやってきます。
編み物が趣味の図書館司書サンディー・スーとして。
亡くなった大叔母の家に滞在することになります。勿論フォーチュンの本当の大叔母ではないのでどういう人物かは知りません。
何事もないはずの南部の田舎町。
家に着くと既に大叔母の友達ガーティが待っています。老犬も。ところがこの老犬が家の前の川の汚泥の中から骨を見つけ出してきます。人骨のようです。
そうして危ないこととははかかわりなくひっそり暮らすはずのフォーチュンは大叔母のお友達のおばあちゃまたちと事件に巻き込まれていきます。
怪しんでいるのか、気があるのか、気が付くとそばにいる保安官補もきになります。
ウイッグを藪にひっかけたり、川に落ちたり、爆笑ものの珍捜査。

楽しく時間を過ごすには持ってこいの小説、とシリーズを数冊注文してしまいました。

2024年8月 4日 (日)

『紫式部と藤原道長』 倉本一宏著

今年の大河ドラマ、華やかな王朝絵巻、と期待して予習にと杉本苑子著『散華』なども読んで視聴し始めましたが、最初から???
紫式部はまひろ、という名になっていますが、まひろと道長が河原で知り合って、、、。身持ちの悪さ(こういう設定)にあきてれてしばらく観るのをやめていましたが、kikuko様のブログを拝見してやはり観ることにしました(シリーズ録画に設定してあるので遡って観ることはできます)。
それにしても賢子が道長の子とは。
そこで読んでみたのが

紫式部と藤原道長』 倉本一宏著 講談社現代叢書

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一昨年朝〇カルチャーセンターで倉本先生の古代史講座をオンライン受講しましたので、これを選びました。
もっとも最後の3月平安時代の講はご病気で休講になってしまいましたが。

まず、驚いたのは
後世「紫式部」と称されることになる女性は、確実に実在した、という所から始まることです。
ああ、学者とはこうなのだな、という感がしました。
大河でいつも大きな目をむいて何やら正論をぼとぼと言いながら、いつも何か書いている人は藤原実資。書いていたのは『小右記』と呼ばれる日記で982年から1032年までが実在し、この時代の第一級資料。
ここに「藤原為時の娘」として出てくるのでその実在性が確認できるのだそうです。
さらに驚いたことには『源氏物語』には中世以降の写本しか存在せず、原文が分からない、全編、紫式部が書いたのかどうか、という問題まであるそうです。

この本では道長(と朝廷の動き)、紫式部について時系列に沿って交互に述べられていきます。当然、テレビドラマのような二人の間の交流関係はありません。しかし、これらは省いて
源氏物語に絞って二人のことを考えると、
*この膨大な物語を書くには大量の料紙が必要
当時紙は市販
されていたわけではなく、又非常に高価なものでした。→いずれかから大量の料紙を提供されそれに『源氏物語』を書き記すことを依頼されたのではないか?そうしてその依頼主が藤原道長。
内容と宮廷政治史との関連、→出仕後の見聞による宮廷社会の姿の繁栄
*道長はこの物語を一条天皇に見せることにより彰子への寵愛つなげることであったろう。

道長なくして『源氏物語』は生まれず『源氏物語』なくしては道長の栄華もなかった、ということになるのです。
その他、実資と彰子の間をとりついでいたのは紫式部だったと、この本では推察していましす。 

源氏物語と当時の朝廷とを関連づけているところもあり、昔買ったけれど読まずに本棚の一番上でホコリをかぶっている『源氏物語』読もうかな、という気分になってきました。

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