『ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎』
ジル・ペイトン・ウォルシュ〈イモージェン・クワイシリ-ズ〉の2冊目を読みました。
『ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎』ジル・ペイトン・ウォルシュ著 創元推理文庫
イモージェンは親から譲られたは大学近くの比較的広いテラスハウスに住んでいます。収入の足しにと、また一人暮らしは寂しいことから何人かの下宿人を置いています。
今回はこのイモージェンの住まいから始まります。
イモージェンはキルト作り愛好会にはいっていて、図案作りを仲間としています。
キルトって三角や四角、ひし形などの小さい布をはぎ合わせて作ります。でも小切れの形はそれ以外にもあるようです。(実はこれが伏線)
一方、下宿人の一人で大学院生のフランは奨学金だけでは足りないので仕事を探しています。院生ともなると指導教官が仕事を斡旋してくれることが多いらしのですが、彼女の指導教官はこの大学に来たばかりでコネはなさそうです。
ところがある日彼女がこの指導教官から仕事をもらったと嬉しそうに帰ってきました。
或る数学者の伝記を書く、という仕事です。
しかしその原稿にはある夏の記録がスッポリ抜け落ちています。
またその伝記を書くことになっていた前任者が亡くなっていたことが分かり、さらにその前の人も、、、と知って、ウェールズに調査に行ったフランの身をイモージェンは案じます。
心配でウェールズまででかけたフランを追って行ったイモージェンは彼女には会えなかったものの、そこで素晴らしいキルトを見つけます。
キルトの布のつなぎ方は一種幾何学的なところがあります。平面充填形、ということに関するようです。
数学上の発見と亡き数学者の妻の執念による、、、、。
ケンブリッジはオックスフォードなどと比べるとジェンダー意識が低かったようですが、そのこともポイントの一つです。
グーグルマップでケンブリッジの町を散歩しながら楽しみました。
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