『告発者』 ジョン・グリシャム著
ジョン・グリシャム、リーガル・サスペンスで有名な作家です。「ペリカン文書」など映画化されたものもありますが、最近ずっとご無沙汰です。それでおもいついて読んでみました。
『告発者』ジョン・グリシャム著 新潮文庫
とりあえず 表紙裏の内容紹介から
判事の不正を調べる「司法審査会」。フロリダ州司法審査会にマクドゥーヴァーという判事がマフィアと組んで、無実の人間に死刑判決を下したという情報が寄せられた。不当判決はほかにもあり、見返りとして多額の賄賂を受け取っているという。この告発は真実か?調査官のレイシーが審査を進めていくと、先住民が経営するカジノとの関係が見えてくる。(上巻)
マクドゥーヴァー判事と結託しているマフィアのボス、デュボーズ。彼は先住民のカジノから上納金を巻き上げ、金と暴力で部下を支配していた。邪魔者は躊躇なく始末し、海外企業を使って、身を隠しているため、正体は誰にも知られていない。デュボーズの罠により瀕死の重傷を負ったレイシーだが、件名な捜査を続け、、、。(下巻)
手練れの作家の作だけあって、なめらかに読み進められました(訳がいいのかもしれません)。と言っても中身はなめらかではありません。
フロリダって富豪や退職者の住むリゾート地、という認識しかありませんでしたが、原住民(インディアン)も居留地もあるのですね。そうして全米で初めて印でインディアン部族による高額賭率の「インディアン・カジノ」が発祥した場所でもあるそうです。
カジノっていやですよね。風紀が乱れそうで。横浜市でもIRが話題になりましたが、反対の方が市長に当選できたので反故になって良かったと思っています。
やはりここでもカジノによるお金に目のくらんだ判事の情報を得て調査をし、危ない目にもあうのですが、脇役として登場する人物としてレイシーの兄なる人がちょっと面白い。不動産取引で破産も何度か経験している人だけれど、妹を愛していると時々やってきます。迷惑がられているけれど、力にもなる存在。最初の情報提供者はボート住まい。いかにもフロリダ。
ちょっとグーグルマップでストリートビューもしてみました。まばゆいばかりの美しく明るいビーチ。でも遊び場には悪い人もいるのですね。こわいこと。
小説は面白くて一気読み。グリシャムもまた読むつもりです。
« 『終結者たち』 マイクル・コナリー著 | トップページ | 『とるに足りない細部』 アダニーヤ・シブリー著 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『臨床真理』『ミカエルの鼓動』(2025.06.28)
- 『月下のサクラ』『朽ちないサクラ』(2025.06.21)
- 『水曜生まれの子』(2025.06.15)
- 『彼女を見守る』(2025.06.03)
- 『朝と夕』(2025.05.23)
コメント