映画「オッペンハイマー」
話題になっている映画「オッペンハイマー」を観てきました。
原爆を開発・製造したオッペンハイマーの物語です。
第二次世界大戦下、
アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。
これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて
世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。
しかし原爆が実戦で投下されると、
その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。
冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、
オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。
世界の運命を握ったオッペンハイマーの栄光と没落、その生涯とは。
今を生きる私たちに、物語は問いかける
第二次大戦中のことです。ナチスドイツが開発している原爆にドイツより先に造らねば、とマンハッタン計画がたてられ、そこに開発のリーダーとして参加を要請されます。
彼には研究者として原爆を完成させる、ということ以外見えていないのです。
ナチスドイツを攻撃するための開発でした。ところが開発直前の45年5月ドイツは無条件降伏したのです。
原爆はもう必要がない?しかしトルーマン大統領は「日本だ」
7月15日 実験成功。
そうして8月広島に投下。
日本人としては体が硬直してしまい、しばらく息をとめてしまった場面でした。
しかし、ロスアラモスでは万歳、大喜びです。
オッペンハイマーにとっては自分たち研究が成功した、という感激でその時はむごい亡くなり方をした十数万もの人々がいることなどに考えは及んでいなかったのです。
アメリカ政府としては、これで戦争を終わらせることができた、多くの人を死なせずに済んだ、という評価です。
しかし、その後オッペンハイマーは後悔し水爆には断固反対。それもあってか、赤狩りにあい公職追放。解けたのはジョン・F・ケネディが大統領になったときです。
ともかく圧倒されました。まずはその見せ方。音、映像。画面は原爆開発当時と戦後が絶えずれ変わります。カラーと白黒。そうして宇宙をあらわしているのか、星空。まるで パッチワークのように入れ替わります。
オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィー、研究に関しては容赦ない態度をとるけれど、人間としては繊細でナイーブ、それに女性関係係もあり、どこか危うさを感じさせる役どころをうまく演じていると思いました。他にもそうそうたる俳優が出ていました。ニールス・ボーア、誰かと思ったらケネス・ブラナーでした。
3時間という時間が短く感じられるほどで、集中が途切れることはありませんでした。
今ロシアはウクライナでの核使用をちらつかせています。ガザを巡っても心配な状況です。
映画館で見るべき映画です。(映画がはじまってみれば分かります)
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