ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
一昨日(7月8日)上野の西洋美術館に行きました。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展をやっています。ロンドンのナショナル・ギャラリーには一度だけ行ったことがありますが、広くて観たのはイタリア絵画の一部だけです。新型コロナでどうなることかと思っていましたが、開催時期を変更して開かれたのはうれしいかぎりです。
新型コロナ対策のため、チケットはあらかじめ日時指定で購入しておかなければいけません。前もっての購入なので、当日お天気と相談して、というわけにはいきません。九州地方の豪雨で、関東もどうなるか、と心配でした。
朝、強風でしたがとりあえず雨は降ってはいませんでした。往復の電車、バスの密を避けるため11:30~12:00入場のチケットをとってあります。順調にに到着。久しぶりの西洋美術館です。雨に洗われた緑にロダンの彫刻が映えます。
マスク着用だけで、一応 熱のある人は、、の表示はありましたが、1m間隔で並んで入場。熱を測ったりはされず、おかれているアルコールジェルで手指の消毒しただけでした。(先週、デパートの美容室に行ったときはずっと厳重で入口で検温されました〉
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://artexhibition.jp/london2020/ 主要作品の解説も動画であります。
人数制限しているせいで、中はすいていました。人と人との間隔をあけるように、という注意書きはありましたが、一枚の絵の前に、4.5人いる場合もありました。肩がふれあうほどではありませんが、結構ちかかったです。勿論、絵の前に1人もいないこともありました。
おかげでいつもよりずっと、ゆったり鑑賞できました。
私のお目当てはクルヴェッリです。クリヴェッリは大好きです。アムステルダムで観た「マグダラのマリア」のゴージャスな絵は忘れられません。
会場では最初の部屋がイタリア・ルネッサンスの部屋で真正面に「聖エミディウスを伴う受胎告知」1486年 カルロ・クリヴェッリ
が展示されていました。
大きいのです。207×146.7㎝
帰りに図録をかったのですが、幅広の帯がついていて、クリヴェッリのとゴッホのと2種類。クリヴェッリを選びました。
解説は上記サイトで詳しくされていますので、私ごときが書くことはありません。
マリアの肌の陶器のような美しさ、当時の屋敷の豪華さ。美術書でよく知っている絵ですがやはり実物は凄い。ただ写真ではわからなかったことなのですが、上にかけてある絨毯、これが油絵具をぬりかさねたようでデコボコ感があるのです。聖霊の鳩が一羽だけでなく何羽もいるのも面白いです。かなりの時間、この絵の前にじんどってしまいました。
全部で61点、イタリア・ルネッサンスからフランス近代絵画まで有名画家の作品が1,2点ずつおかしくなるほどまんべんなく取り上げられています。ウッチェロもいい、あら、フェルネールもヴァン・ダイク、ゴヤ、エル・グレコ、、、モネ、ドガ、ルノワール、、、。あげていけばきりがありません。図録から絵を拝借するのもよくありませんので何枚かだけ。
驚いたのは デイエゴ・ベラスケス ベラスケスと言えば宮廷画家、とおもいこんでいたのですが、
『マルタとマリアの家のキリスト」(1618年頃)
(図録からなので少しまるまっています)。マリアは働きもしないでお話をきいていて、と不貞腐れたマルタの顔、気に入りました。ベラスケスは宮廷画家になる前はセヴィリアでこういう風俗画を描いていたそうです。
スルバランはよく聖女を描いています。一見これは民族衣装を着た普通の女性かと思いましたが、やはり聖女でした。
「アンティオキアの聖マルガリータ』(1630-34年)
羊飼いをしていたマルガリータは信仰ゆえに結婚をことわったため、牢屋にいれられ、龍に姿を変えた悪魔にたべられるのですが、手に持っていた十字架の力でおなかがさけて無傷で出てこられたのだそうです。それで彼女は出産の守護聖人なのだそうです。暗くてわかりにくいですが、足元に龍がいます。エキゾチックな衣装を身につけていますが、まなざしはおちついて、やはり聖女です。とても気に入りました。
最後の部屋の正面にゴッホの「ひまわり」(1888年)
この夏ゴッホは4枚のひまわりを描き、中でもこの絵をゴーガンが絶賛したそうです。
ゴッホの「ひまわり」は昔安田火災が買った、というので大ニュースになりました。今では損保ジャパンの東郷青児美術館で常設されていますがそれと同じ構図のものです。現在ロンドンにあるこの絵をもとにしてゴッホが2枚描いたもののうちの1枚だそうです。損保ジャパンのものもステキだと思って観た覚えがあるのですが、今これを見るとやはりこれも、同系色のバックに溶け込むようでいて少し寂しい、静かな存在感があって、感動しました。
61枚というのは程よい数、1時間半ほどで見終わり、ショップでお買い物
図録 裏はターナの(ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」(1829年)です。
主人と一緒ですので重い図録も大丈夫。そのほかクリアファイルやら一筆箋、絵葉書などを買い込んで、さてお昼を、と「水連」に行くと20人くらいの列。あきらめてそのまま帰ることにしました。
帰るまで降られず、涼しい、というより寒いくらいでしたので、5時間近くマスクをつけっぱなしでも中がむれることなくて助かりました。
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せっせと歩いています。今はコースをかえて毎朝4200歩です。季節はうつりかわってアジサイはもうおしまい。
葵が満開です。
この度の豪雨のニュースに心を痛めております。被害に遭われた方にこころよりお見舞い申し上げます。
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